内視鏡像におけるいわゆる食道静脈瘤発赤所見の病理組織学的研究
「I. 緒言」肝硬変に代表される門脈圧亢進症にみる食道静脈瘤は, 門脈圧亢進によってもたらされる幾つかの門脈―大静脈側副路のうち, 解剖学的に門脈血流閉塞性病変部にもっとも近く, しかも門脈血の流入をほぼ直線的に受け入れるため, 容易に門脈圧亢進の影響をうけ, 危険な破綻をきたしやすい病態として知られてきた. 近年, 食道ファイバースコープが発達し, 既存のDagradi1), Conn2)らの内視鏡的程度分類を踏まえた食道静脈瘤の判定基準7)が整理され, 経験症例10)~13)が蓄積されるに及んで, ようやく内視鏡所見と静脈瘤破綻出血との関係が明らかとなり, 次第に内視鏡像における発赤所見(...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 1985-11, Vol.100 (6), p.1175-1191 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. 緒言」肝硬変に代表される門脈圧亢進症にみる食道静脈瘤は, 門脈圧亢進によってもたらされる幾つかの門脈―大静脈側副路のうち, 解剖学的に門脈血流閉塞性病変部にもっとも近く, しかも門脈血の流入をほぼ直線的に受け入れるため, 容易に門脈圧亢進の影響をうけ, 危険な破綻をきたしやすい病態として知られてきた. 近年, 食道ファイバースコープが発達し, 既存のDagradi1), Conn2)らの内視鏡的程度分類を踏まえた食道静脈瘤の判定基準7)が整理され, 経験症例10)~13)が蓄積されるに及んで, ようやく内視鏡所見と静脈瘤破綻出血との関係が明らかとなり, 次第に内視鏡像における発赤所見(以下R-C signs)が出血予知に重視されるようになった. しかし, それにも拘わらず"R-C signsは何を表わす像なのか""何故出血予知につながる所見なのか"が, 組織学的根拠に基づいて解明されたわけではなかった. |
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ISSN: | 0375-9172 |