ガイドライン策定委員会からのお知らせ (その1) MICSにおける体外循環時の注意点

2018年度より胸腔鏡下弁膜症手術が新たに保険収載された. これによって今後さらに胸骨を温存する右小開胸心臓手術(minimally invasive cardiac surgery:MICS)の症例数が増加していくことが予想される. しかしながら, 技術的に高度な操作が要求され手術チームの体制を整える必要があるため, MICSを標準手術とすることは決してハードルが低いとは言えない. 今後さらに安全に広く行われるには, 外科医の技量のみならず, 麻酔科医や我々パーフュージョニストを含めた手術チーム全体の底上げが必要である. MICSには小切開がもたらす整容面だけでなく, 早期回復や輸血量減少な...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2024-03, Vol.51 (1), p.102-107
1. Verfasser: 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 : JaSECT
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:2018年度より胸腔鏡下弁膜症手術が新たに保険収載された. これによって今後さらに胸骨を温存する右小開胸心臓手術(minimally invasive cardiac surgery:MICS)の症例数が増加していくことが予想される. しかしながら, 技術的に高度な操作が要求され手術チームの体制を整える必要があるため, MICSを標準手術とすることは決してハードルが低いとは言えない. 今後さらに安全に広く行われるには, 外科医の技量のみならず, 麻酔科医や我々パーフュージョニストを含めた手術チーム全体の底上げが必要である. MICSには小切開がもたらす整容面だけでなく, 早期回復や輸血量減少などの利点があることが知られているが, 一方でピットフォールもあり, その多くは特殊な環境や条件下での体外循環に関連している. その1例として, MICSでは大腿動静脈を用いて体外循環を行うなど, 開胸手術と体外循環法も異なり注意が必要である.
ISSN:0912-2664