吸引カニューレの違いによる吸引回路の流量特性および圧変化に関する実験的検討

人工心肺において、血液の再利用や無血視野の確保のための吸引回路は重要な構成部材であり、吸引カニューレを含めた吸引回路の流量特性および圧変化について、実験回路と40%グリセリン溶液を用いて検討を行った。吸引流量は回路のみに比較し、吸引嘴管接続の場合で最大2%、フレキシブルサッカー接続の場合で最大13%低下した。吸引回路内圧は吸引嘴管の場合で最大陰圧-71mmHg、フレキシブルサッカー接続の場合で最大陰圧-199mmHgとなった。同じ吸引回路内圧で比較すると吸引嘴管を接続した場合の方がフレキシブルサッカーを接続した場合に比べて吸引流量低下率が大きかった。血球損傷に伴う溶血は血液とともに吸引される空...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2024, Vol.51(2), pp.138-143
Hauptverfasser: 大島, 弘之, 東條, 圭一, 伊東, 祥太, 武市, 護, 宮地, 鑑
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:人工心肺において、血液の再利用や無血視野の確保のための吸引回路は重要な構成部材であり、吸引カニューレを含めた吸引回路の流量特性および圧変化について、実験回路と40%グリセリン溶液を用いて検討を行った。吸引流量は回路のみに比較し、吸引嘴管接続の場合で最大2%、フレキシブルサッカー接続の場合で最大13%低下した。吸引回路内圧は吸引嘴管の場合で最大陰圧-71mmHg、フレキシブルサッカー接続の場合で最大陰圧-199mmHgとなった。同じ吸引回路内圧で比較すると吸引嘴管を接続した場合の方がフレキシブルサッカーを接続した場合に比べて吸引流量低下率が大きかった。血球損傷に伴う溶血は血液とともに吸引される空気による乱流とずり応力、過剰な陰圧が原因と考えられており、血球損傷を最小限に抑えるために吸引カニューレの特性を考慮しながら、過度の吸引ポンプの回転数を避ける、複数系統の吸引回路を使用する、可能な限り短時間の使用に留める、吸引カニューレの先端の詰まりや先当たりに注意するなど対策を講じながら使用するべきであると考えられた。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/jject.51.138