人工心肺を使用した心臓血管手術後の急性腎障害関連因子の後方視的検討: 人工心肺中フロセミドの投与と急性腎障害への影響

背景:人工心肺(cardiopulmonary bypass:CPB)における急性腎障害(acute kidney injury:AKI)は、予後を悪化させる主要な合併症であると報告されている。今回、CPBを用いた心臓血管術後のAKIに関して後方視的に検討した。対象と方法:2018年10月から2021年11月に、当院で心臓血管外科手術を受け、人工心肺を使用した100症例を対象とした。AKIの診断にはAcute Kidney Injury Networkを用いて定義した。主要項目としてAKI発生率・挿管時間・ICU滞在日数・術後在院日数を副次項目とした。結果:AKIは19例(19.0%)で認めた...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2023, Vol.50(1), pp.19-25
Hauptverfasser: 竹一, 知久, 森本, 喜久, 山田, 章貴, 田中, 孝憲, 藤原, 邦裕, 栄, 敦史, 清水, 悠雅, 顔, 邦男
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景:人工心肺(cardiopulmonary bypass:CPB)における急性腎障害(acute kidney injury:AKI)は、予後を悪化させる主要な合併症であると報告されている。今回、CPBを用いた心臓血管術後のAKIに関して後方視的に検討した。対象と方法:2018年10月から2021年11月に、当院で心臓血管外科手術を受け、人工心肺を使用した100症例を対象とした。AKIの診断にはAcute Kidney Injury Networkを用いて定義した。主要項目としてAKI発生率・挿管時間・ICU滞在日数・術後在院日数を副次項目とした。結果:AKIは19例(19.0%)で認めた。Stage 1が15例(78.9%)で最も多く、続いてstage 2が3例(15.7%)、stage 3が1例(5.2%)であった。AKI群で挿管時間・ICU滞在日数が有意に長かった。フロセミドを使用した症例のAKI発症は1例(2.6%)であり、多変量解析の結果、フロセミド使用群でAKIが軽減する結果となった。結語:CPBにおけるAKIのリスク因子として、CPB中のフロセミドの使用がAKI発症を軽減させる可能性が示唆された。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/jject.50.19