従来のECMOからCOVID-19のECMOへの工夫

「要旨」COVID-19に対する体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation:ECMO)を経験した(COVID ECMO). COVID-19対応では感染対策のみならず感染防御部材の不足があり, また呼吸補助の特殊性などから従来のECMO管理とは違う点が多く浮かび上がった. そこで新たにECMOの管理方法を変えながら治療に当たった. 治療対象は当院で2020年4月から6月末にかけCOVID-19感染患者に対して主に呼吸補助の目的でECMOを導入した6症例である. 結果として, 従来の循環補助のECMOとは違う静脈-静脈バイパスが主となった. 回路内圧...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2020-10, Vol.47 (3), p.256-262
Hauptverfasser: 安田徹, 草浦理恵, 小久保領, 小藤誠也, 早坂秀幸, 松田考平, 佐伯将城, 楠本雅哉, 田中杏実, 竹内寿里耶, 永田夏海, 百瀬直樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」COVID-19に対する体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation:ECMO)を経験した(COVID ECMO). COVID-19対応では感染対策のみならず感染防御部材の不足があり, また呼吸補助の特殊性などから従来のECMO管理とは違う点が多く浮かび上がった. そこで新たにECMOの管理方法を変えながら治療に当たった. 治療対象は当院で2020年4月から6月末にかけCOVID-19感染患者に対して主に呼吸補助の目的でECMOを導入した6症例である. 結果として, 従来の循環補助のECMOとは違う静脈-静脈バイパスが主となった. 回路内圧やガスモニターにも工夫が必要で, それらの値が意味するものも大きく違った. ECMOの導入・移動・回路交換・離脱も技士は1名で対応せざるを得ず, 技士間そして医師・看護師とは特別な情報共有の手段も必要になった. 今回は患者半数がECMOを離脱し, 最大補助日数は61日であったが, COVID-19の特徴として凝固制御が難しい症例が目立った. COVID ECMOは特に多職種連携が必須であり, それには日頃からの信頼関係の構築が求められる. 現在も感染は収束しておらず, 本報告症例とは別に8月からCOVID ECMO治療が再開しており, いずれの施設もCOVID ECMO治療に備えるべきである. 本論文はそのための情報共有として報告するものである.
ISSN:0912-2664