脱血フローセンサーを用いた人工心肺操作

「要旨」 全国で年間人工心肺症例数が50症例以下の施設は35%あり, 当院も該当する. 経験の浅い技士が開放型回路で貯血槽レベルを安定させるのは難しく, 人工心肺操作に対しストレスを強いられる. また, 経験者においても人工心肺システムが一新された場合は同様である. 新人技士の人工心肺教育と, 新規人工心肺システム導入に伴う経験者に対し, 操作の安定と安全を目的として脱血フローセンサーを用いた人工心肺操作を行った. 脱血回路にフローセンサーを装着し, 得られた脱血流量と送血流量を比較して人工心肺操作をしたことで, 人工心肺開始から離脱まで, 貯血槽レベルの安定した操作を容易に行うことができた....

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2019-03, Vol.46 (1), p.19-23
Hauptverfasser: 堀口敦史, 加藤まなみ, 森田将太, 野堀耕佑, 樋口知之, 春田良雄, 市原利彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 全国で年間人工心肺症例数が50症例以下の施設は35%あり, 当院も該当する. 経験の浅い技士が開放型回路で貯血槽レベルを安定させるのは難しく, 人工心肺操作に対しストレスを強いられる. また, 経験者においても人工心肺システムが一新された場合は同様である. 新人技士の人工心肺教育と, 新規人工心肺システム導入に伴う経験者に対し, 操作の安定と安全を目的として脱血フローセンサーを用いた人工心肺操作を行った. 脱血回路にフローセンサーを装着し, 得られた脱血流量と送血流量を比較して人工心肺操作をしたことで, 人工心肺開始から離脱まで, 貯血槽レベルの安定した操作を容易に行うことができた. 操作の安定性が経験値で大きく異なることがなくなる可能性があり, 脱血フローセンサーの使用のみであれば, 急激な回路変更やシステム・操作変更がなく簡便に設置・使用することが可能となるため, 人工心肺の技術支援装置の一部として使用しやすいと考える. 操作性の向上・簡便化による人材育成・技術維持への負荷軽減, 人工心肺の安全性寄与, 患者循環動態安定の項目に関し, 脱血流量を把握するデバイスは重要になると考えられる.
ISSN:0912-2664