小児心臓手術での人工肺入口側圧力上昇と血小板減少に関する検討
「要旨」 本会が人工心肺(cardiopulmonary bypass: CPB)における安全装置設置基準で人工肺入口側圧力(入口圧)測定を勧告して以来, 入口圧上昇の報告は増加している. 当院においても, 同様の経験をしたので原因につき検討し報告する. 2012年1月から2015年12月までに施行した小児心臓手術のうちCPBを使用した186例中3例(1.6%)で入口圧上昇を経験し, 2例で緊急のデバイス交換を必要とし, うち1例で人工肺に血液凝集塊を認めた. 入口圧上昇を来たした3例に共通してCPB開始後の血小板数(platelet: Plt)が開始前と比較し77±3%低下しており, 同一期...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 体外循環技術 2016-12, Vol.43 (4), p.374-379 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「要旨」 本会が人工心肺(cardiopulmonary bypass: CPB)における安全装置設置基準で人工肺入口側圧力(入口圧)測定を勧告して以来, 入口圧上昇の報告は増加している. 当院においても, 同様の経験をしたので原因につき検討し報告する. 2012年1月から2015年12月までに施行した小児心臓手術のうちCPBを使用した186例中3例(1.6%)で入口圧上昇を経験し, 2例で緊急のデバイス交換を必要とし, うち1例で人工肺に血液凝集塊を認めた. 入口圧上昇を来たした3例に共通してCPB開始後の血小板数(platelet: Plt)が開始前と比較し77±3%低下しており, 同一期間に施行した疾患と体重の類似した小児心臓手術症例40例と比較しても, CPB開始後のPltは有意に減少していた. アルカリ環境下での「いが状赤血球」による凝集の関与につき検討すると, 血液ガスの検査でのアルカリ化は認められなかった. いが状赤血球による凝集では血小板凝集や血小板の減少はないとされているが, 今回の3例では血小板が有意に減少していたことがわかった. 結論として, 入口圧上昇, 血液凝集塊形成には血小板一次凝集と血小板減少が大きく関与していると考えられた. |
---|---|
ISSN: | 0912-2664 |