Fontan循環不全の心停止患者に対してV-A Extracorporeal Membrane Oxygenationが奏功した1症例

「要旨」Fontan循環不全の心停止患者に対してV-A extracorporeal membrane oxygenation (ECMO) が奏功した1症例を経験したので報告する. 患者は40歳の男性で身長161cm, 体重55.6kg, 体表面積1.48m2であった. 2013年4月からFontan循環不全による蛋白漏出性胃腸症および腹水貯留を認め, Biderectional Glenn (BDG) とmodified B-T shunt (m-BTS) 手術へ移行する予定で同年5月に当院へ入院した. 入院中に痙攣発作から心停止となりECMOを導入した. ECMOは右総頸動脈送血, 左大...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2015-06, Vol.42 (2), p.133-136
Hauptverfasser: 高寛, 伊藤英史, 堂口琢磨, 氏家良人, 笠原真悟, 佐野俊二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」Fontan循環不全の心停止患者に対してV-A extracorporeal membrane oxygenation (ECMO) が奏功した1症例を経験したので報告する. 患者は40歳の男性で身長161cm, 体重55.6kg, 体表面積1.48m2であった. 2013年4月からFontan循環不全による蛋白漏出性胃腸症および腹水貯留を認め, Biderectional Glenn (BDG) とmodified B-T shunt (m-BTS) 手術へ移行する予定で同年5月に当院へ入院した. 入院中に痙攣発作から心停止となりECMOを導入した. ECMOは右総頸動脈送血, 左大腿静脈脱血にて行い灌流量は2.4L/min/m2で管理した. ECMO導入後は循環動態が安定し中心静脈圧は20mmHgから10mmHgへ減少した. ECMO導入後に神経障害, 多臓器不全を認めなかった. Fontan循環不全の心停止患者に対してECMOを導入することによって静脈圧を下げることができ, 安定した全身循環を保ちつつBDGとm-BTS手術へ移行することが可能であった.
ISSN:0912-2664