開心術体外循環中に人工肺の異常圧力勾配を多く経験して - 人工肺交換を行わなかった24例の報告
「要旨」本医学会が人工心肺 (cardiopulmonary bypass : CPB) の安全装置設置基準を勧告して, 現在は第4版まで更新された. 当院においても人工肺の入口圧を測定するようになり4年以上が経過した. その間の開心術中に人工肺の異常圧力勾配 (abnormal pressure gradient : APG) を24例経験した (2.3%). APG発生を経験していく経過中に, 原因追究を目指して少しずつCPBの充填や開始の方法を変更したが, APG発生の解明には至らなかった. 今回経験したAPGは全例が可逆的であり, 人工肺の交換は行わなかったが, 特定の人工肺でAPG発...
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Veröffentlicht in: | 体外循環技術 2015-06, Vol.42 (2), p.128-132 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」本医学会が人工心肺 (cardiopulmonary bypass : CPB) の安全装置設置基準を勧告して, 現在は第4版まで更新された. 当院においても人工肺の入口圧を測定するようになり4年以上が経過した. その間の開心術中に人工肺の異常圧力勾配 (abnormal pressure gradient : APG) を24例経験した (2.3%). APG発生を経験していく経過中に, 原因追究を目指して少しずつCPBの充填や開始の方法を変更したが, APG発生の解明には至らなかった. 今回経験したAPGは全例が可逆的であり, 人工肺の交換は行わなかったが, 特定の人工肺でAPG発生リスクが明らかに高かった (5.3%). APG発生のほとんどで血液冷却がトリガーになり, 復温にて改善傾向を示したが, 寒冷凝集反応が正常範囲外であることはなかった. 当院におけるAPG発生のリスクは, 理由は不明ながら特定の人工肺であることと, 男性であることが増加する要因であった. 人工肺交換には危険も伴うが, APGが可逆的かまたは不可逆的かを見極めて, 安全なCPBを遂行する必要がある. |
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ISSN: | 0912-2664 |