巨躯患者の体外循環において人工肺の並列接続が有用であった一例

「要旨」 39歳男性, 身長190cm, 体重150kg, BSA2.61(full flow6.3L/min)という非常に体格の大きな患者の脳分離体外循環を経験した. 術中, 単一の人工肺のみでの酸素化性能が限界を迎えたため, 人工肺を並列接続して体外循環を継続した. 術前から, 体外循環中にいつでも人工肺の交換・追加ができるように回路に工夫を施し, 更に酸素ブレンダなどの準備を整えていたため, 安全に体外循環を継続することができた. 人工肺の並列接続による体外循環法は, 本症例のような患者に対して非常に有用な方法であると考えられた. 「I. 緒言」 近年の食事をはじめとした生活習慣の欧米化...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2013-12, Vol.40 (4), p.510-512
Hauptverfasser: 宮嵜聡磨, 道永祐希, 菊池紀敏, 高野環
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 39歳男性, 身長190cm, 体重150kg, BSA2.61(full flow6.3L/min)という非常に体格の大きな患者の脳分離体外循環を経験した. 術中, 単一の人工肺のみでの酸素化性能が限界を迎えたため, 人工肺を並列接続して体外循環を継続した. 術前から, 体外循環中にいつでも人工肺の交換・追加ができるように回路に工夫を施し, 更に酸素ブレンダなどの準備を整えていたため, 安全に体外循環を継続することができた. 人工肺の並列接続による体外循環法は, 本症例のような患者に対して非常に有用な方法であると考えられた. 「I. 緒言」 近年の食事をはじめとした生活習慣の欧米化により, 肥満や糖尿病などの生活習慣病が増加してきている. それに伴い, 心疾患による死亡率も増加してきており1-3), 比較的若年での心疾患患者も珍しくない. 我々は, 若年で非常に体格が大きな患者の体外循環を経験した.
ISSN:0912-2664