ポンプレス血液濃縮回路の検討
「要旨」ポンプレス(圧力差)にて血液濃縮器を使用する場合, 回路構成は簡便であるが, 回路内圧によって血液濃縮器へ流れる血液量が変化し, 濾過量が安定せず電解質コントロールに苦渋する場合がある. そこで, 血液濃縮器へ流れる血液量を測定した上で, 落差にて血液濃縮器の外部に生理食塩水を灌流(落差血液透析法)させ電解質の除去量を測定した. ローラーポンプを使用した体外循環症例に超音波流量計を用い, 血液濃縮回路に送血および停止状態の送血量変化により, 血液濃縮器へ流れる血液量を求めた. 更に, 落差血液透析法を用いたときの電解質除去量と限外濾過時の電解質除去量を求めた. 血液濃縮器の血流は, ヘ...
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Veröffentlicht in: | 体外循環技術 2013-12, Vol.40 (4), p.502-506 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」ポンプレス(圧力差)にて血液濃縮器を使用する場合, 回路構成は簡便であるが, 回路内圧によって血液濃縮器へ流れる血液量が変化し, 濾過量が安定せず電解質コントロールに苦渋する場合がある. そこで, 血液濃縮器へ流れる血液量を測定した上で, 落差にて血液濃縮器の外部に生理食塩水を灌流(落差血液透析法)させ電解質の除去量を測定した. ローラーポンプを使用した体外循環症例に超音波流量計を用い, 血液濃縮回路に送血および停止状態の送血量変化により, 血液濃縮器へ流れる血液量を求めた. 更に, 落差血液透析法を用いたときの電解質除去量と限外濾過時の電解質除去量を求めた. 血液濃縮器の血流は, ヘモグロビン値8.0±0.8g/dL, 回路内圧119.0±18.5mmHgの条件で, 0.35±0.05L/minであった. 落差血液透析法を用いた場合のカリウムイオン除去量は1.12±0.12mmol/min, 限外濾過のみの場合は0.3±0.1mmol/minであり, 3倍を超える効率が得られた. 回路内圧により血液濃縮器へ流れる血液量を把握し, 落差血液透析法を用いることにより, 簡便な回路でも適正な電解質管理が可能であることが示唆された. |
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ISSN: | 0912-2664 |