体外循環中のヘパリナーゼテストACTの有用性の検討

「要旨」 当院では大血管手術症例で出血を伴うと予想される症例に対し, 体外循環(CPB)中の浮腫軽減および凝固因子補充目的で総蛋白濃度(TP)を測定し, 3.5g/dL以下の場合に新鮮凍結血漿(FFP)の投与を行っている. 今回, ヘパリナーゼテストACT (HT-ACT)とTPを測定し, その相関関係を調べるとともに, FFP投与を行った症例(H群)と投与を行わなかった症例(N群)の2群間でヘパリン投与後, 60分毎, 離脱時, プロタミン終了後の変化率を調べた. 結果は相関係数0.45であった. H群においては, HT-ACTが開始後60分で有意な延長を認め, 離脱時はヘパリン投与後の値に...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2013-03, Vol.40 (1), p.59-63
Hauptverfasser: 西中巧, 笠野靖代, 上塚翼, 高宗伸次, 江藤志保, 荒木康幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 当院では大血管手術症例で出血を伴うと予想される症例に対し, 体外循環(CPB)中の浮腫軽減および凝固因子補充目的で総蛋白濃度(TP)を測定し, 3.5g/dL以下の場合に新鮮凍結血漿(FFP)の投与を行っている. 今回, ヘパリナーゼテストACT (HT-ACT)とTPを測定し, その相関関係を調べるとともに, FFP投与を行った症例(H群)と投与を行わなかった症例(N群)の2群間でヘパリン投与後, 60分毎, 離脱時, プロタミン終了後の変化率を調べた. 結果は相関係数0.45であった. H群においては, HT-ACTが開始後60分で有意な延長を認め, 離脱時はヘパリン投与後の値に近づくことが確認できた. ACTとTPは両群間に有意差はなかった. HT-ACTとTPの推移から, H群は術中の凝固因子の損失が考えられ, FFP投与が必要であると考えた. HT-ACTの延長が少なく希釈によるTPの低下に対しては血液濃縮およびアルブミン製剤などによる補充が第一選択と考えた.
ISSN:0912-2664