寒冷凝集素症を合併した弓部大動脈瘤に対する脳分離体外循環の経験
「要旨」寒冷凝集反応が陽性の場合, 低体温を必要とする脳分離体外循環では, 体外循環回路内の凝集や微小血管の閉塞などの危険性があり, 何らかの対策が必要となる. 今回, 寒冷凝集反応が陽性であった弓部大動脈置換術を2例経験した. 両症例ともに寒冷凝集素価は512倍であった. 症例1は, 最低直腸温32℃で選択的脳灌流(SCP)を行い, 体循環は停止しなかった. 心筋保護は34℃の血液併用心筋保護(BCP)とした. 症例2では, 寒冷凝集臨界温度を測定し, 27.5℃と判定されたため, 最低直腸温30℃でSCPを行い, 体循環は停止しなかった. 心筋保護は30℃のBCPとした. 両症例ともに回路...
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Veröffentlicht in: | 体外循環技術 2012-12, Vol.39 (4), p.449-451 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」寒冷凝集反応が陽性の場合, 低体温を必要とする脳分離体外循環では, 体外循環回路内の凝集や微小血管の閉塞などの危険性があり, 何らかの対策が必要となる. 今回, 寒冷凝集反応が陽性であった弓部大動脈置換術を2例経験した. 両症例ともに寒冷凝集素価は512倍であった. 症例1は, 最低直腸温32℃で選択的脳灌流(SCP)を行い, 体循環は停止しなかった. 心筋保護は34℃の血液併用心筋保護(BCP)とした. 症例2では, 寒冷凝集臨界温度を測定し, 27.5℃と判定されたため, 最低直腸温30℃でSCPを行い, 体循環は停止しなかった. 心筋保護は30℃のBCPとした. 両症例ともに回路内凝集や微小塞栓を疑う臓器障害など重篤な合併症を認めなかった. 寒冷凝集素症を合併した脳分離体外循環の対策として, 臨界温度以上でのSCPや心筋保護を行い, 回路を含めた循環を停滞させなかったことは, 有効な対策のひとつであると考えられた. |
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ISSN: | 0912-2664 |