陰圧補助脱血法がローラーポンプ吐出特性に及ぼす影響の検証

陰圧補助脱血法がローラーポンプ吐出流量に及ぼす影響を水実験にて検証した。内径1/2インチのポンプチューブを用い、JIS法に基づき100cmH2O負荷時にローラーによる圧閉部での逆流量が0.35~0.75mL/分(適正圧閉)、18mL/分(不完全圧閉L)、50mL/分(不完全圧閉H)の状態で静脈リザーバー内に-20~-100mmHgの陰圧を負荷した。不完全圧閉Hではポンプ停止状態にて、ポンプ流出側で負荷陰圧の約25%の陰圧の漏れを認めた。回転数100rpmの駆動状態(無負荷での吐出流量は約4.2L/分)では、適正圧閉では陰圧に比例して吐出流量は低下し、-100mmHgでは10%の流量低下を認めた...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2012, Vol.39(2), pp.126-131
Hauptverfasser: 奥村, 高広, 横谷, 翔, 見目, 恭一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:陰圧補助脱血法がローラーポンプ吐出流量に及ぼす影響を水実験にて検証した。内径1/2インチのポンプチューブを用い、JIS法に基づき100cmH2O負荷時にローラーによる圧閉部での逆流量が0.35~0.75mL/分(適正圧閉)、18mL/分(不完全圧閉L)、50mL/分(不完全圧閉H)の状態で静脈リザーバー内に-20~-100mmHgの陰圧を負荷した。不完全圧閉Hではポンプ停止状態にて、ポンプ流出側で負荷陰圧の約25%の陰圧の漏れを認めた。回転数100rpmの駆動状態(無負荷での吐出流量は約4.2L/分)では、適正圧閉では陰圧に比例して吐出流量は低下し、-100mmHgでは10%の流量低下を認めた。不完全圧閉では陰圧には比例せず、-20mmHg時に不完全圧閉Lで約2.3L/分、不完全圧閉Hで約2.0L/分で最低流量となった。吐出流量の低下は、陰圧負荷がポンプ流入部に達することで、圧閉されたポンプチューブの復元に影響を及ぼすためと考える。特に不完全圧閉では陰圧の影響が流出側にまで及ぶため、より顕著な流量低下を招いたと考える。設定流量を正確に得るには適正圧閉調整が重要であり、ローラーポンプにおいても送血流量の実測が必要と考えられた。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/jject.39.126