<一般演題>4. 気管狭窄を呈する気管膜様部形成術に対しV-V ECMO施行した1例
【はじめに】近年, 呼吸器領域手術において術前重症呼吸不全を呈する症例に対しECMOを施行し有効であった報告がある. 今回, 高度気道狭窄を伴う気管気管支軟化症に対し, V-V ECMO下に麻酔導入, 気管膜様部形成術を施行し良好な結果であった症例を報告する. 【症例】74歳, 男性. 肺気腫にて在宅酸素療法施行中, 夜間呼吸苦にて当院救急搬送. CTにて上気管気管支軟化症と気管狭窄・右肺嚢胞を認めた. 翌日, 準緊急的に手術となったが, 呼吸補助必要と判断されたため, V-V ECMO導入となった. 【方法】ECMO systemは遠心ポンプMedtronic社製CBBP-50, 人工肺はN...
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Veröffentlicht in: | 体外循環技術 2012, Vol.39 (1), p.92-92 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】近年, 呼吸器領域手術において術前重症呼吸不全を呈する症例に対しECMOを施行し有効であった報告がある. 今回, 高度気道狭窄を伴う気管気管支軟化症に対し, V-V ECMO下に麻酔導入, 気管膜様部形成術を施行し良好な結果であった症例を報告する. 【症例】74歳, 男性. 肺気腫にて在宅酸素療法施行中, 夜間呼吸苦にて当院救急搬送. CTにて上気管気管支軟化症と気管狭窄・右肺嚢胞を認めた. 翌日, 準緊急的に手術となったが, 呼吸補助必要と判断されたため, V-V ECMO導入となった. 【方法】ECMO systemは遠心ポンプMedtronic社製CBBP-50, 人工肺はNIPRO社製BioCube6000, 脱血は左大腿静脈より済生会熊本病院式21Fr側孔付カニューレ使用し, 脱血孔をSVCとIVC付近に留置. 送血は右大腿静脈より済生会熊本病院式18Fr側孔付カニューレを使用した. また再循環を考慮しECMO灌流量を3.0L/min以上, SpO290%以上を目標とし管理した. 【結果】送・脱血管を経皮的にカニュレーションし, 灌流量3.5L/minにてECMO開始. 出血を懸念しECMO中はACTを120~140secで管理し, ヘパリンは2000Eのみ使用した. その後麻酔導入・気管挿管. 右肺嚢胞切除・気管膜様部形成し開始から8hr45minでECMO離脱. 第5病日気管切開施行. 呼吸リハビリ継続し第53病日転院となった. 【考察】高度気管狭窄を有する症例では, 麻酔導入時の換気不全が問題となり, 最近ではECMO使用例が報告されている. その方法については, 送脱血部位や灌流量, ACTコントロールなどの管理方法は未だ確立されていない. それぞれの利点・欠点を理解し, 術前の心肺機能を評価した上で各症例にあった方法を選択すべきであると考えられる. 【結語】高度気管狭窄を有する症例に対し, ECMO下での呼吸管理は有用であると考えられた. |
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ISSN: | 0912-2664 |