当院における脳分離体外循環システム簡素化の試み

「要旨」弓部大動脈置換手術に用いられる選択的脳分離体外循環(SCP)は, 通常の体外循環と比べて回路が複雑で使用薬剤も多い特別なものである. そのためにSCPの準備・操作・管理など, 一連の業務を担う臨床工学技士にとっては大きな負担が強いられる. 当院のSCPシステムは, 当初はローラーポンプを用いた複雑なものであったが, 緊急手術にも迅速に対応できるよう, システムの簡素化に努めてきた. 具体的方策として, (1)遠心ポンプ1基を用いたシステムの導入, (2)人工心肺装置の小型化, (3)使用薬剤の見直しとチェックシートの改良を行い, 緊急対応が容易で操作性・安全性が向上した簡素なシステムを...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2012-03, Vol.39 (1), p.83-86
Hauptverfasser: 土井照雄, 大上卓也, 山田秀人, 阪越信雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」弓部大動脈置換手術に用いられる選択的脳分離体外循環(SCP)は, 通常の体外循環と比べて回路が複雑で使用薬剤も多い特別なものである. そのためにSCPの準備・操作・管理など, 一連の業務を担う臨床工学技士にとっては大きな負担が強いられる. 当院のSCPシステムは, 当初はローラーポンプを用いた複雑なものであったが, 緊急手術にも迅速に対応できるよう, システムの簡素化に努めてきた. 具体的方策として, (1)遠心ポンプ1基を用いたシステムの導入, (2)人工心肺装置の小型化, (3)使用薬剤の見直しとチェックシートの改良を行い, 緊急対応が容易で操作性・安全性が向上した簡素なシステムを構築できた. 本論文では当院におけるSCPシステム簡素化への過程について報告する. 「I. 諸言」弓部大動脈置換手術(total arch replacement;TAR)に用いられる脳分離体外循環(selective cerebral perfusion:SCP)は, 通常の体外循環と比べて回路が複雑で使用薬剤も多い特別なものであり, 安全な実施のために各施設それぞれで工夫がなされている1-4).
ISSN:0912-2664