O-12-3 送血フィルター入口圧と人工肺出口圧の関係に関する実験的検討
【目的】 2009年度にJaSECTより示された「人工心肺における安全装置設置基準」(第2版)では, 体外循環施行中の安全向上のため, 人工肺入口圧に加えて送血フィルター入口圧の測定が推奨されている. これらの圧測定による人工肺前後圧較差のモニタリングは, 人工肺異常の早期検知に役立つ. しかし, 送血フィルター内部では気泡除去のため強い渦流が生成されているため, 実際の人工肺出口圧と, 送血フィルター入口圧は大きく異なる可能性がある. 本研究では, 人工肺直後で測定される出口圧と送血フィルター入口圧の比較を実験的に行い, その関係を検討した. 【方法】 遠心ポンプ(テルモ社製キャピオックス遠...
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Veröffentlicht in: | 体外循環技術 2011, Vol.38 (3), p.420-420 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】 2009年度にJaSECTより示された「人工心肺における安全装置設置基準」(第2版)では, 体外循環施行中の安全向上のため, 人工肺入口圧に加えて送血フィルター入口圧の測定が推奨されている. これらの圧測定による人工肺前後圧較差のモニタリングは, 人工肺異常の早期検知に役立つ. しかし, 送血フィルター内部では気泡除去のため強い渦流が生成されているため, 実際の人工肺出口圧と, 送血フィルター入口圧は大きく異なる可能性がある. 本研究では, 人工肺直後で測定される出口圧と送血フィルター入口圧の比較を実験的に行い, その関係を検討した. 【方法】 遠心ポンプ(テルモ社製キャピオックス遠心ポンプCX-SP45), 人工肺(泉工医科工業社製メラNHPエクセランプライムHPO-23H-L), 動脈フィルター(ポール社製AL6)により構成される回路を使用し, グリセリン水溶液(3.1cp)で充填した. 圧力測定は, 人工肺入口・人工肺出口・送血フィルター入口の3箇所で行い, 人工肺出口圧と送血フィルター入口圧を比較した. 遠心ポンプ回転数は1,000~3,000rpmとした. 【結果】 送血流量2.0L/minにおける人工肺出口圧と送血フィルター入口圧の差圧は-6.8mmHg, 送血流量4.0L/minにおける差圧は-15.4mmHgとなり, 送血流量に依存して人工肺出口圧と送血フィルター入口圧の差圧は顕著に低下することが確認された. 【考察】 現在, 送血フィルター入口圧と人工肺出口圧の差は議論されていないが, フィルター内部で生成される強い渦流のため, 送血フィルター入口では人工肺出口に対して人工肺前後圧較差の約30%に相当する強い負圧が発生することが示唆された. 従って, 人工肺前後の圧較差について何らかの評価を行う場合, 動脈フィルターの種類に依存する形状の影響も考慮する必要がある. 今後はより多くの種類の送血フィルター入口圧と流量の関係についても検証していきたい. |
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ISSN: | 0912-2664 |