O-8-1 MICS手術を安全に施行するための体外循環の検討

【はじめに】 MICS手術において, 体外循環でのカニューレの選択は手術の安全性, 視野の確保の点で重要である. 当院でのMICSによる体外循環について報告する. 【対象】 2009年8月から2011年6月にMICSにて施行したMVP 8例, ASD閉鎖術2例, ASD閉鎖術 + TAP 1例, AVR 1例を対象とした. 【方法】 体外循環はVAVD併用落差脱血とし, 経大腿静脈 + SVC, または経大腿静脈からDLP社製Carpentier Bi-caval Femoral Cannula (Bi-caval)を使用して行った. 送血は上行大動脈または大腿動脈にて行い, 左房または左室ベ...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2011, Vol.38 (3), p.407-407
Hauptverfasser: 土井麻由美, 高村明男, 黒川大樹, 丸岡由衣, 森祐哉, 澤崎優
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【はじめに】 MICS手術において, 体外循環でのカニューレの選択は手術の安全性, 視野の確保の点で重要である. 当院でのMICSによる体外循環について報告する. 【対象】 2009年8月から2011年6月にMICSにて施行したMVP 8例, ASD閉鎖術2例, ASD閉鎖術 + TAP 1例, AVR 1例を対象とした. 【方法】 体外循環はVAVD併用落差脱血とし, 経大腿静脈 + SVC, または経大腿静脈からDLP社製Carpentier Bi-caval Femoral Cannula (Bi-caval)を使用して行った. 送血は上行大動脈または大腿動脈にて行い, 左房または左室ベントと大動脈基部ベントを挿入した. 心筋保護はMVPでは順行性, ASD閉鎖術では心拍動下または順行性, AVRでは順行性+選択的にて行った. 大腿静脈から脱血管を挿入する際は, 経食道エコーおよび触診にてカニューレ先端の位置確認を行った. 【結果】 Bi-cavalを使用した3症例のうち2症例にて脱血量が十分でなく, SVCに脱血管を追加した. 上行大動脈送血にEdwards社製EZ Glide Cannulae Straightを使用した3症例中2症例にて固定が不安定で浅くなり, 刺入部からの出血を認めた. 大腿動脈送血を行った症例を含め, 全症例に脳梗塞や脳出血などの合併症は認めなかった. 【考察】 MICS手術において, 体外循環中のカニューレトラブルは対処が難しく, 確実な挿入と固定が必要である. また, 送血部位に関しても上行大動脈送血は生理的であるが, 大腿動脈送血は逆行性送血であるために脳塞栓症や解離の危険性を十分に注意する必要がある. しかし, 上行大動脈送血は狭い術野にカニューレが挿入されるため, 視野確保の点においては大腿動脈送血が優れていると考える. 【結語】 MICS手術において, 特別な体外循環上の留意点がある. 送脱血管の選択においても, それぞれの特性を理解して使用する必要があると考えられた.
ISSN:0912-2664