O-5『人工心肺における安全装置設置基準勧告」における当院の取り組み』

【はじめに】体外循環医学会より2009年10月「人工心肺における安全装置設置基準勧告(第二版)」(以下安全勧告)が提示され, 当院においても安全勧告に準じ装置の設置を行っている. 今回, 当院において安全勧告の実施状況を調査し安全に対する検討を行ったので報告する. 【対象・方法】当院にて使用しているスタッカート社製人工心肺装置SIII(以下SIII)・泉工医科工業社製心筋保護装置HAD-11(以下HAD)を対象として現状システム状況および安全勧告に準じた監視・制御装置設置状況について調査し, 安全勧告の必須・強く推奨・推奨の24項目と比較した. 【結果】SIII構成は遠心ポンプ1基, ローラーポンプ5基, HAD構成はローラーポンプ2基となっており, 装置側モニタリングとして連続式血液ガスモニタテルモ社製CDI500, レベルセンサ2個・気泡センサ2個・温度計3個・圧力計3個を使用している. 当院の安全勧告の実施状況は必須6/6項目, 強く推奨10/11項目(ローラー送血高圧制御を除く), 推奨5/7項目であった. 【考察】当院の安全勧告の実施状況では心筋保護注入圧に関連する項目において2項目, 人工心肺送血圧に関連する項目において1項目, 計3項目において未達成であった. より安全に業務を施行するにあたりすべての項目の達成のためのシステムの検討が必要である. 【結語】今回当院における安全勧告における設置状況について調査を行った. 安全勧告を厳守することは必須事項であり, チーム全員がそれぞれの内容・意味を十分に理解し安全管理を行うため安全勧告徹底, 同時にチェックリストの充実化, 勉強会などへ積極的な参加を行い, 安全対策に対しての技術知識の向上をしていきたい.