S-2 維持透析患者における人工心肺施行時の取り組み

【緒言】近年, 血液浄化法の進歩により慢性腎不全患者の長期生存が可能となり, 開心術症例も増加している. 今回, 維持透析患者の人工心肺使用手術における管理方法, 取組みについて述べたい. 【対象】2005~2010年の5年間で人工心肺を用いた透析患者29例の内, 再開胸止血術を施行した1例と急性大動脈解離の2例を除いた26例を対象とした. 【管理方法および検討方法】術前は2日間連続の血液透析(Hct>30%以上, Dw 2~3%の減量), 術中はHigh-flow DUFを行い高血漿膠質浸透圧にて間質に水分を移行させずに管理することを基本とし, 術直後の血液浄化は出血傾向を回避するため...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2011, Vol.38 (1), p.102-102
Hauptverfasser: 加藤優, 田村秀朗, 山口真依, 島田朋和, 長谷川武生, 澤田理加, 千原伸也, 大村慶太, 河江忠明, 村木里誌, 川原田修義, 樋上哲哉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【緒言】近年, 血液浄化法の進歩により慢性腎不全患者の長期生存が可能となり, 開心術症例も増加している. 今回, 維持透析患者の人工心肺使用手術における管理方法, 取組みについて述べたい. 【対象】2005~2010年の5年間で人工心肺を用いた透析患者29例の内, 再開胸止血術を施行した1例と急性大動脈解離の2例を除いた26例を対象とした. 【管理方法および検討方法】術前は2日間連続の血液透析(Hct>30%以上, Dw 2~3%の減量), 術中はHigh-flow DUFを行い高血漿膠質浸透圧にて間質に水分を移行させずに管理することを基本とし, 術直後の血液浄化は出血傾向を回避するため翌日の施行を原則としている. これらの基本プロトコールによって管理を行った症例について術後合併症, 死亡危険因子の検討を後視的に行った. 【結果】30日以内の死亡は1例(3.8%)であったが, 転科後の死亡等長期に及ぶ全入院死亡は4例(15.4%)と高率であった. 術後合併症は縦隔炎5例, 再開胸2例, 肺炎2例, 消化器合併症2例であり, 縦隔炎は遅発例が多かった. 有意な死亡危険因子は, 術後縦隔炎と術前血中アルブミン
ISSN:0912-2664