下肢虚血防止目的で施行する送血側枝からの選択的送血流量の検討

「要旨」 経皮的心肺補助法(PCPS)施行時に, 下肢虚血防止目的で送血回路除泡側枝から, 下肢に選択的送血を行うことがある. しかし, 側枝のみの流量を測定する方法はなく, 実際の流量は不明である. そこで, 2種類の送血チューブと3種類のデバイスをそれぞれ側枝に接続し, 遠心ポンプの回転数を変化させた時の流量, 回路内圧について比較検討した. 流量はシステム中の最も高い管抵抗に影響を受け, 下肢虚血防止に必要な流量が得られない可能性が示唆された. より多くの流量を得るためには, 抵抗の低いデバイスの選択とそれに伴う送血部位の変更が必要と考える. 「I. 緒言」 経皮的心肺補助法(以下, P...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2011-03, Vol.38 (1), p.49-51
Hauptverfasser: 原季実子, 後藤和大, 服部哲斎, 山本伸一, 長谷川静香, 新美伸治, 中村智裕, 林裕樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 経皮的心肺補助法(PCPS)施行時に, 下肢虚血防止目的で送血回路除泡側枝から, 下肢に選択的送血を行うことがある. しかし, 側枝のみの流量を測定する方法はなく, 実際の流量は不明である. そこで, 2種類の送血チューブと3種類のデバイスをそれぞれ側枝に接続し, 遠心ポンプの回転数を変化させた時の流量, 回路内圧について比較検討した. 流量はシステム中の最も高い管抵抗に影響を受け, 下肢虚血防止に必要な流量が得られない可能性が示唆された. より多くの流量を得るためには, 抵抗の低いデバイスの選択とそれに伴う送血部位の変更が必要と考える. 「I. 緒言」 経皮的心肺補助法(以下, PCPS)施行時における合併症の頻度は32~40%であり, 導入時の出血や下肢虚血, 長期使用時の血栓塞栓症などが挙げられる. 合併症の一つである下肢虚血は末梢循環不全や大腿動脈からの逆行性送血によって発生し1,2), その対策として送血回路除泡側枝(以下, 送血側枝)から下肢に送血を行うことがあるが, 送血側枝のみの流量を測定する方法はなく, 実際の下肢への流量は不明である.
ISSN:0912-2664