in vitro試験による補助人工心臓駆動時の左心室内血流の検討

「要旨」補助人工心臓の臨床応用において多くの場合, 左心室内の脱血カニューレ近傍での血栓形成が懸念され, 血栓形成には左心室内の血液の流れが影響していると言われている. 著者らは左心室モデルを製作し, 流体の流れを可視化して検証を行った. 左心室モデルはシリコンを用いてサックを製作し, 前・後負荷はEVAHEART適用患者の血行動態を模擬した. 作動流体は血液と同じ粘性のグリセリン水溶液を使用し, 可視化粒子を用いNd;YLFレーザーを照射しハイスピードカメラで撮影をした. 拡張期では回転数の違いにより脱血カニューレからの逆流, 僧帽弁からの旋回流・直線流などが確認でき, 収縮期では低回転領域...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2010-12, Vol.37 (4), p.409-412
Hauptverfasser: 五十嵐利博, 石澤祐馬, 久米嶺, 楠瀬俊祐, 立田良太, 八木高伸, 岩崎清隆, 山崎健二, 梅津光生
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」補助人工心臓の臨床応用において多くの場合, 左心室内の脱血カニューレ近傍での血栓形成が懸念され, 血栓形成には左心室内の血液の流れが影響していると言われている. 著者らは左心室モデルを製作し, 流体の流れを可視化して検証を行った. 左心室モデルはシリコンを用いてサックを製作し, 前・後負荷はEVAHEART適用患者の血行動態を模擬した. 作動流体は血液と同じ粘性のグリセリン水溶液を使用し, 可視化粒子を用いNd;YLFレーザーを照射しハイスピードカメラで撮影をした. 拡張期では回転数の違いにより脱血カニューレからの逆流, 僧帽弁からの旋回流・直線流などが確認でき, 収縮期では低回転領域において大動脈弁が開口し流体が流出していることが確認できた. また, 脱血カニューレ近傍の流れは心尖部とカニューレの間に渦流れが発生し, 淀みが起こっていた. 今回, 著者らは左心室モデルを製作してEVAHEARTの各種運転条件のもとでの左心室内の流体の流れを可視化することができた. この実験結果をもとに臨床における適正な駆動方法の提案が行えるようになった.
ISSN:0912-2664