8. 人工肺を迅速に交換するする為に考案したカスタムキットの作成
【目的】 体外循環中に人工肺入口圧が上昇し, 人工肺交換を余儀なくされた症例を経験した. この時交換用キットがなく, 交換準備に時間を要した. その経験より今回, 迅速に人工肺の交換準備が行えるカスタムキットを作成したので報告する. 【症例】 昨年度, 当院では人工肺入口圧の上昇による交換が2症例あった. 症例1は人工心肺開始10分後に入口圧が上昇した. リザーバー, 人工肺共に交換し, 人工心肺再開まで29分の時間を要した. 症例2は人工心肺開始4分後に入口圧が上昇した. 人工肺のみを交換し, 人工心肺再開まで7分の時間を要した. 【回路構成】 カスタムキットに泉工医科工業社製のメラNHPエ...
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Veröffentlicht in: | 体外循環技術 2010, Vol.37 (3), p.365-365 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】 体外循環中に人工肺入口圧が上昇し, 人工肺交換を余儀なくされた症例を経験した. この時交換用キットがなく, 交換準備に時間を要した. その経験より今回, 迅速に人工肺の交換準備が行えるカスタムキットを作成したので報告する. 【症例】 昨年度, 当院では人工肺入口圧の上昇による交換が2症例あった. 症例1は人工心肺開始10分後に入口圧が上昇した. リザーバー, 人工肺共に交換し, 人工心肺再開まで29分の時間を要した. 症例2は人工心肺開始4分後に入口圧が上昇した. 人工肺のみを交換し, 人工心肺再開まで7分の時間を要した. 【回路構成】 カスタムキットに泉工医科工業社製のメラNHPエクセランNSH-Rを使用した. 交換準備の簡略化を目的に, 人工肺入口側と出口側に3/8インチのチューブ及びコネクターを, 充填ラインは人工肺入口側に設置した. また, 心筋保護液ライン, 採血ラインも接続されている回路構成である. 【結果】 2症例共に交換準備は約15分であった. また, カスタムキット作成後に交換症例がなかったため, このキットを用い人工肺交換訓練を行った. 交換準備時間は3分であり, カスタムキット作成前より約12分の短縮となった. なお, 人工肺交換を行った2症例および訓練時の人工肺交換時間は1分であった. 【考察】 人工肺交換例は年々増加している. そのため体外循環を行う上で, いつでも人工肺の交換を行える準備が必要である. 今回2症例とも大動脈遮断前に入口圧が上昇した症例であった. しかし大動脈遮断後に入口圧が上昇した場合は, 更に迅速かつ正確な手技が要求される. また, 2症例および訓練時の交換時間は同じであったが準備時間が短縮されることで, 人工肺の酸素加不良やリークなど緊急時の迅速な対応が可能になると考えられる. 【結語】 今回人工肺の交換を余儀なくされた2症例を経験し, カスタムキットを作成した. 緊急時に迅速な人工肺の交換準備が行えるように, カスタムキットで訓練を行い, 体外循環の安全性を高めていきたい. |
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ISSN: | 0912-2664 |