O-5-4 遠心ポンプ流量特性の粘度依存性と心負荷モニタリングの可能性に関する検討
【目的】 PCPS施行時において, 心臓の前負荷のコントロールは心筋負荷を低減する上で重要であるが, 遠心ポンプの圧―流量特性が既知の場合, 回転数と流量から回路にかかる前負荷を導出し, 心臓の前負荷を評価できる可能性が考えられる. しかし, 機器添付文書では温度37℃, Ht 50%の牛血を使用したときの圧―流量特性のみが示されており, 体外循環中の希釈率, Htや血液温度の変化による血液の粘度変化が遠心ポンプの特性に与える影響は明らかでない. 本研究では遠心ポンプの流体特性に及ぼす粘度変化の影響を計測し, その流体特性から心臓負荷の指標を導出できる可能性について検討した. 【方法】 実験に...
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Veröffentlicht in: | 体外循環技術 2010, Vol.37 (3), p.279-279 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】 PCPS施行時において, 心臓の前負荷のコントロールは心筋負荷を低減する上で重要であるが, 遠心ポンプの圧―流量特性が既知の場合, 回転数と流量から回路にかかる前負荷を導出し, 心臓の前負荷を評価できる可能性が考えられる. しかし, 機器添付文書では温度37℃, Ht 50%の牛血を使用したときの圧―流量特性のみが示されており, 体外循環中の希釈率, Htや血液温度の変化による血液の粘度変化が遠心ポンプの特性に与える影響は明らかでない. 本研究では遠心ポンプの流体特性に及ぼす粘度変化の影響を計測し, その流体特性から心臓負荷の指標を導出できる可能性について検討した. 【方法】 実験には遠心ポンプ(CAPIOX, テルモ社製), 流量計(FDM 5AT, キーエンス製), 圧力センサー(40PC001, Honeywell製)で構成される閉鎖回路を用い, 回転数1,000~3,000rpmに対する流量及び圧較差の測定より, ポンプ単独の圧―流量特性を計測した. 回路充填液としてグリセリン水溶液(1~3cP)を用いた. 回路の負荷抵抗は, 回転数(1,000rpm)を基準として1~3L/minの範囲で目標流量を維持できるよう調節を行った. 【結果】 粘度の上昇は, より低い回転数における目標流量の維持を可能とする. また粘度が低下した場合, 同一回転数では流量を維持できない傾向があり, 高流量域で顕著に現れることがわかった. 【考察】 遠心ポンプの駆動力は主に慣性力であるため, 粘性の影響は軽微であると予想されたが, 今回の結果では粘度変化は圧―流量特性に影響を与え, その特性は高流量域で顕著に現れることが分かった. このような圧―流量特性の解析をその他の回路構成部位でも行い, 回路全体の圧力分布を導出することによって, ポンプ回転数, 流量, 回路内圧から心臓の前負荷を連続モニタリングできる可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0912-2664 |