12. 新生児・乳児体外循環における復温係数に関する考察
【背景】これまでに新生児・乳児体外循環において復温係数を算出することによって体外循環中の復温技術へ応用できる可能性を示唆してきた. 今回, Terumo社製膜型人工肺RX-5においても復温係数が算出されるのかを検討した. 【対象】2005年7月から2008年6月までにTerumo社製膜型人工肺RX-5を使用した新生児・乳児体外循環220症例を対象とした. 【方法】復温係数を算出するために, 復温時間, 灌流量, 灌流温度(膀胱温), 体重, 体表面積について後方視研究を行った. 復温係数の定義は復温時間に灌流量を乗じ, 体重と体表面積で除したものである. 統計学的解析にはピアソン積率相関係数を...
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Veröffentlicht in: | 体外循環技術 2009, Vol.36 (4), p.459-460 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【背景】これまでに新生児・乳児体外循環において復温係数を算出することによって体外循環中の復温技術へ応用できる可能性を示唆してきた. 今回, Terumo社製膜型人工肺RX-5においても復温係数が算出されるのかを検討した. 【対象】2005年7月から2008年6月までにTerumo社製膜型人工肺RX-5を使用した新生児・乳児体外循環220症例を対象とした. 【方法】復温係数を算出するために, 復温時間, 灌流量, 灌流温度(膀胱温), 体重, 体表面積について後方視研究を行った. 復温係数の定義は復温時間に灌流量を乗じ, 体重と体表面積で除したものである. 統計学的解析にはピアソン積率相関係数を用いた. 【結果】復温時間と温度格差(復温目標温度-灌流温度)において強い正の相関関係があった(Y=1.1835x + 5.6483, r=0.6502). 復温係数と温度較差は強い正の相関関係があった(Y=0.9127x - 0.0152,r=0.7793). 【考察】Φ:復温係数(L/Kg/m2), T:復温時間(min), P:温度格差(℃), Q:灌流量(L/min), R:体重(Kg), S:体表面積(m2)とすると, Φ=(T・Q)/(R・S)=0.9127P - 0.0152の式で表すことができる. この式を用いて復温予想時間と復温実測時間の相関を調べるとY=0.4234x + 5.8221, r=0.5694の正の相関が得られている. Sorin社製D901を使用した場合の復温係数の式はΦ=1.2803P + 3.8323で表されたが, 今回Terumo社製RX-5においてもΦ=0.9127P - 0.0152の復温係数の式が算出された. したがって, 新生児・乳児体外循環の復温技術において復温係数が算出されることが示唆された. このような復温係数の算出は新生児・乳児体外循環において理想的な復温技術に応用可能であると考えられる. 今後はこれらの復温係数の違いがどのような原因によって生じるのかを解析していく必要がある. 【結論】Terumo社製膜型人工肺RX-5においても復温係数が算出されるのかを検討した結果, Φ=0.9127P - 0.0152の復温係数が算出された. 新生児・乳児体外循環において復温係数は復温技術に応用可能であると考えられる. |
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ISSN: | 0912-2664 |