3. 下大静脈に至る腫瘍血栓を合併した腎腫瘍に対し人工心肺を用いて腫瘍摘出, 下大静脈再建を施行した1例
【症例】58歳男性, 2008年10月1日に右側腹部痛訴え, 近院受診. 右尿管結石疑いにて腹部CT撮影し, 下大静脈へ横隔膜を越える腫瘍血栓認め, 右腎腫瘍, 腫瘍血栓を診断された. 10月2日に当院紹介, 即入院となった. 【術式・方法】人工心肺下にて右腎腫瘍摘出術後, 人工血管を用いて下大静脈再建術を施行した. 方法は, 胸腹部正中切開し, 上行大動脈に送血管Stockart社製6.5mmを留置した. 脱血管は, 右房にStockart社製straight32Fr.を留置し, 人工心肺を開始した. 人工心肺開始後, 右大腿静脈にEdwards社製Duraflo14Fr.を留置したが, 脱...
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Veröffentlicht in: | 体外循環技術 2009, Vol.36 (2), p.176-177 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【症例】58歳男性, 2008年10月1日に右側腹部痛訴え, 近院受診. 右尿管結石疑いにて腹部CT撮影し, 下大静脈へ横隔膜を越える腫瘍血栓認め, 右腎腫瘍, 腫瘍血栓を診断された. 10月2日に当院紹介, 即入院となった. 【術式・方法】人工心肺下にて右腎腫瘍摘出術後, 人工血管を用いて下大静脈再建術を施行した. 方法は, 胸腹部正中切開し, 上行大動脈に送血管Stockart社製6.5mmを留置した. 脱血管は, 右房にStockart社製straight32Fr.を留置し, 人工心肺を開始した. 人工心肺開始後, 右大腿静脈にEdwards社製Duraflo14Fr.を留置したが, 脱血不良であったため, 人工血管遠位側吻合終了後, 中枢側を遮断し人工血管側枝から脱血を行った. その後, 中枢側―遠位側吻合し, IVC再建行った. 人工血管側枝―左腎静脈吻合後, 人工心肺を離脱した. 回路は閉鎖回路と開放回路の鉗子操作で変換可能な回路を準備した. ヘパリンは0.3ml/kg投与し, ACTを400~600秒を目標とした. 人工心肺開始後ACTが344秒であったため, 5ml追加投与した. 手術時間は9時間11分, 人工心肺時間は1時間51分であり, 人工心肺バランスが+2909mlであった. 【考察】下大静脈へ至る下大静脈再建術の摘出手術時に人工心肺を用いることにより, 術中の循環動態が安定し, 大量出血への対処も即座に行えることができる. 【結語】腫瘍血栓を合併した下大静脈再建術に対し, 人工心肺を併用し, 安全に手術を施行した. |
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ISSN: | 0912-2664 |