右鎖骨下動脈起始異常を合併した真性弓部大動脈瘤手術に対する脳分離体外循環
「要旨」:右鎖骨下動脈起始異常を伴う遠位弓部真性大動脈瘤手術に対する選択的4分枝脳分離体外循環を施行し, 良好な結果を得たので報告する. 症例は85歳男性. 検診時胸部X線写真で異常陰影を指摘された, 近医で胸部CT撮影を行なったところ, 胸部大動脈瘤と診断された. 術前検査で行なったMRAで右鎖骨下動脈起始異常が発見された. 体外循環に際しては, 椎骨脳底動脈領域の灌流 不全の危険を回避するため, 選択的4分枝脳分離体外循環をすべく, 当施設の3分枝脳送血回路の1分枝に6mmY字コネクターと6mmチューブを取り付けた. 脳分離送血流量は4枝合計で600mLとし, rSO2の値を参考に脳送血流...
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Veröffentlicht in: | 体外循環技術 2008-12, Vol.35 (4), p.429-432 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」:右鎖骨下動脈起始異常を伴う遠位弓部真性大動脈瘤手術に対する選択的4分枝脳分離体外循環を施行し, 良好な結果を得たので報告する. 症例は85歳男性. 検診時胸部X線写真で異常陰影を指摘された, 近医で胸部CT撮影を行なったところ, 胸部大動脈瘤と診断された. 術前検査で行なったMRAで右鎖骨下動脈起始異常が発見された. 体外循環に際しては, 椎骨脳底動脈領域の灌流 不全の危険を回避するため, 選択的4分枝脳分離体外循環をすべく, 当施設の3分枝脳送血回路の1分枝に6mmY字コネクターと6mmチューブを取り付けた. 脳分離送血流量は4枝合計で600mLとし, rSO2の値を参考に脳送血流量を調節した. 体外循環時間は3時間16分, 大動脈遮断時間は2時間41分, 選択的脳送血時間は1時間37分であった. 術後覚醒も良好で, 神経学的異常は見られなかった. 選択的順行性4分枝脳灌流を用いて脳合併症を回避できた. |
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ISSN: | 0912-2664 |