N12-3 小児領域におけるMUF施行方法の検討

【目的】小児領域におけるModified Ultrafiltration(MUF)の有効性は多数報告されている. しかし, MUF施行方法に関して, 統一された見解は得られていない. 今回2007年11月よりMUF施行方法を変更したため, その有用性について検討した. 【対象】2007年8月~2008年4月に人工心肺離脱後MUFを行った体重5kg以下の小児20例について, MUFの施行方法によりA-V mode(AV群)7例とA-A mode(AA群)13例に分け比較した. 【方法】両群において人工心肺離脱後, 回路残血の濃縮が完了するまでテルモ社製CX-HC05S(R)を使用してMUFを行っ...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2008, Vol.35 (3), p.319-319
Hauptverfasser: 西垣孝行, 林輝行, 四井田英樹, 高橋裕三, 吉田幸太郎, 小川浩司, 西岡宏, 山中泰弘, 峠崎純一, 松本泰史, 立川洋輝, 石野直明, 染川将太
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】小児領域におけるModified Ultrafiltration(MUF)の有効性は多数報告されている. しかし, MUF施行方法に関して, 統一された見解は得られていない. 今回2007年11月よりMUF施行方法を変更したため, その有用性について検討した. 【対象】2007年8月~2008年4月に人工心肺離脱後MUFを行った体重5kg以下の小児20例について, MUFの施行方法によりA-V mode(AV群)7例とA-A mode(AA群)13例に分け比較した. 【方法】両群において人工心肺離脱後, 回路残血の濃縮が完了するまでテルモ社製CX-HC05S(R)を使用してMUFを行った. AV群は, 送血管から脱血し血液濃縮器を介して脱血管の側枝へ返血した. AA群は, 上行大動脈の大動脈ルートベントから脱血し, 血液濃縮器を介して送血管の側枝へ返血した. 補液は両群ともに返血側へ投与した. MUF前後のHb濃度とMUF施行条件, トラブルの発生頻度を比較し, p<0.05を統計学的有意とした. 【結果】AV群とAA群の体重はそれぞれ3.7±1.0kg, 3.7±0.7kg, MUF施行時間は, 7.3±2.6min, 8.2±2.7min, MUF流量は, 76.4±23.6mL/min, 97.7±22.8mL/minで有意差を認めなかった. MUF除水量は, AV群127±56mL, AA群288±102mL, で有意(p<0.001)にAA群が多かった. MUF前後のHb濃度は, AV群前10.6±0.7g/dL, 後11.8±2.1g/dL, AA群前9.4±1.1g/dL, 後12.3±1.3g/dLでAA群のみ有意(p<0.001)に増加した. 両群間のHb濃度比較では, MUF前のみAA群が有意(p<0.05)に低かった. トラブルは, AV群のみ陰圧による気泡発生が3件見られた. 【考察】両群のMUF施行時間に差が無いにもかかわらず, AA群においてMUF流量は高い傾向を示し, MUF除水量は優位に多かった. さらにAA群はHb濃縮効率が高い傾向を示し, トラブルの発生率も少ないことから安全かつ効率の良い方法であると考える. 【結論】小児領域のMUF施行方法において, 安全と効率の面で, A-A modeがA-V modeよりも有用である.
ISSN:0912-2664