透析患者の術前・術中・術後の管理
【目的】透析患者に人工心肺を使用して手術を行う際, 通常の患者に比ベリスクが高いため, より術中の水分管理や血液データの管理などに注意が必要である. また, 術前術後の管理も重要となってくる. 今回, 透析患者に対しての術前, 術中, 術後の管理について報告する. 【対象】2006年に透析患者に人工心肺を使用した狭心症2例, 弁膜症1例計3症例を対象とした. 【方法】術前の管理は前日透析を, 通常の透析よりも血液流量を増やし, 患者の状態が安定していれば透析時間を長めに行った. また, 透析を行う時間帯も可能であれば午後に行い, 透析終了から手術開始までの時間が短くなるよう調整した. 術中の管...
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | 【目的】透析患者に人工心肺を使用して手術を行う際, 通常の患者に比ベリスクが高いため, より術中の水分管理や血液データの管理などに注意が必要である. また, 術前術後の管理も重要となってくる. 今回, 透析患者に対しての術前, 術中, 術後の管理について報告する. 【対象】2006年に透析患者に人工心肺を使用した狭心症2例, 弁膜症1例計3症例を対象とした. 【方法】術前の管理は前日透析を, 通常の透析よりも血液流量を増やし, 患者の状態が安定していれば透析時間を長めに行った. また, 透析を行う時間帯も可能であれば午後に行い, 透析終了から手術開始までの時間が短くなるよう調整した. 術中の管理は, 全症例で輸血を行った. 水分管理に関しては血液濃縮とHFを併用し, 水分コントロールと電解質補正および代謝性アシドーシス補正を行った. また, 通常の手術より除水速度や置換速度を増やした. 血液データの管理はCDI500のデータと採血検査の結果で管理した. 術後の管理は, 手術当日CHDFは行わず, 術後第1日目から開始し, 過剰になっているボリュームを早期に術前の状態までにし, 循環動態の安定に努めた. 状態が安定した時点で透析室でのHDに移行した. 【結果】術前のK値(mEq/L)は平均で3.2, 術中の高値は平均で4.9, 手術終了時は平均で3.8であった. 術中のHFの置換量は平均で7Lであった. 術後のCHDFの施行期間は平均で6日間であった. 透析室でのHDに移行した後も安全な透析を行えた. 【考察】以上のような患者管理を行うことで, 術前, 術中, 術後の管理は安全に施行できたと考える. しかし, 術中の管理については手術時間に左右される可能性があるため, HFの置換量を平均10Lを目標に今後も検討が必要と考えられた. 【結論】透析患者に人工心肺を使用して手術を行う際には通常よりリスクが高くなるため, 細かい患者管理が必要となる. また, その結果に検討を加えていかなければならない. |
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ISSN: | 0912-2664 |