(3)動脈フィルターとバブルトラップの微小気泡捕捉性能の比較検討
【目的】近年, 動脈フィルター装着率が増加傾向にある. しかし, プライミングの容易さ, 接触面積の削減, 圧力損失低減などの利点からバブルトラップを採用している施設もある. 臨床上, 混入した空気は人工肺によって粉砕された微小気泡であると想定されることから, それらを再現し, 微小気泡の捕捉実験を行った. 【方法】対象はテルモ社製動脈フィルターAF125(以下AF125), 同社バブルトラップCX-BT15(以下CX-BT15)とした. 模擬回路はリザーバーからローラーポンプを経て微小気泡を作り出すための遠心ポンプを通過し, 対象へ送るものとした. 充填は牛血(Ht35%, 25℃)にて行い...
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Zusammenfassung: | 【目的】近年, 動脈フィルター装着率が増加傾向にある. しかし, プライミングの容易さ, 接触面積の削減, 圧力損失低減などの利点からバブルトラップを採用している施設もある. 臨床上, 混入した空気は人工肺によって粉砕された微小気泡であると想定されることから, それらを再現し, 微小気泡の捕捉実験を行った. 【方法】対象はテルモ社製動脈フィルターAF125(以下AF125), 同社バブルトラップCX-BT15(以下CX-BT15)とした. 模擬回路はリザーバーからローラーポンプを経て微小気泡を作り出すための遠心ポンプを通過し, 対象へ送るものとした. 充填は牛血(Ht35%, 25℃)にて行い, 微小気泡検知器はHATTELAND社製CMD20を使用し, 対象の入口側・出口側をそれぞれ計測した. 測定条件は, 送血流量5.01/min, 対象通過後の回路内圧200mmHgは一定とし, 遠心ポンプを2000回転と0回転, フィルター上部のベント流量は0.0, 0.5, 1.0l/minとした. エアはボーラスで10mlを遠心ポンプ直前より注入し計測は各々3回行った. 【結果】条件の変更に関わらずAF125では実測値の最大径50μm, 平均値40μm, CX-BT15においては実測値の最大径90μm, 平均値90μmであった. 【考察】気泡捕捉能力は, AF125, CX-BT15いずれも臨床上問題とされている40μmを超えるものであり, CX-BT15においては90μmに達するものであった. ほぼ同形状でありながら気泡サイズの違いはフィルター(40μm)とメッシュ(150μm)の差であると考えられる. 牛血の粘性において微小気泡の浮力では旋回流にて生じる遠心力では分離できず血流に取り込まれたものと考えられる. いずれもエア混入時の気泡捕捉を目的としては十分な能力を有しているとはいえないと思われる. 【結語】バブルトラップ, 動脈フィルターともに微小気泡に対する捕捉能力は十分とはいえない. しかし, バブルトラップよりより細かい微小気泡を捕捉可能なフィルター機能を備えた動脈フィルターを使用すべきである. |
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ISSN: | 0912-2664 |