(6)人工心肺(CPB)開始直後の静脈血濾過網(VFF)閉塞を経験した1症例
【はじめに】CPB中のトラブルは致命傷に成り得る. 今回, 我々はCPB開始直後にVFFの目詰まりを起こし, 静脈リザーバー(VR)を交換してトラブルなく経過した症例を経験したので報告する. 【症例】64歳, 男性. 1989年より他院にてAP, 脳内出血のFollow upを行っていた. 2002年当院でCAPD導入. 2006年5月AMI発症しPCI施行, 2007年1月CAGの結果からCABGの適応となった. 【経過】術前, CAPDを休止しHDに移行した. 術中, CPB開始前から充填血のDUF施行し, VRレベル600mlでCPB開始した. 開始直後にVFFの通過障害と思われる脱血不...
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Zusammenfassung: | 【はじめに】CPB中のトラブルは致命傷に成り得る. 今回, 我々はCPB開始直後にVFFの目詰まりを起こし, 静脈リザーバー(VR)を交換してトラブルなく経過した症例を経験したので報告する. 【症例】64歳, 男性. 1989年より他院にてAP, 脳内出血のFollow upを行っていた. 2002年当院でCAPD導入. 2006年5月AMI発症しPCI施行, 2007年1月CAGの結果からCABGの適応となった. 【経過】術前, CAPDを休止しHDに移行した. 術中, CPB開始前から充填血のDUF施行し, VRレベル600mlでCPB開始した. 開始直後にVFFの通過障害と思われる脱血不良を認めた. 量負荷により循環は維持できたため, VRレベル450ml付近までの通過障害と判断した. その時の回路内圧, 人工肺流入部および流出部での圧上昇は認めなかった. 術者に経過報告し, 中等度低体温循環停止下でVRの交換を行った. 【結果】循環停止90秒で再開した. 以後, 合併症など認めず経過は良好であった. 交換したVRには, VFF全周に蛋白膜様の付着物を認めたが, 人工肺, 動脈フィルターには同様な物質は認めなかった. また新たに交換したVRにも認めなかった. メーカーの調査結果では, 全ての製品に血球などの凝集物はなく, 対象のVRのみ, 蛋白の付着を認めた. 【結語】今回の原因は不明だがCPB中にVRの交換を経験した. トラブル発生時には瞬時の判断が要求されるため, 全てのスタッフも含めたトラブルシューティング, コミュニケーションや連携など, 安全性の拡充が重要である. |
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ISSN: | 0912-2664 |