N9-3 パルスオキシメータを用いた血流モニタ法

【はじめに】MASIMO社製パルスオキシメータ(Radical)にて測定されるPI値とは, モニタリング部位の拍動の強さを相対的に表す指標である. 今回, 腹部大動脈瘤に対する人工血管置換術での血流変化のモニタとしてPI値を用いたので報告する. 【方法】PI値の測定には4台のRadicalを使用した. 測定部位は, 上肢および下肢の第3指に統一した. Radica1にて測定されたPI値は, Oxilogデータ管理システムによりコンピュータヘ1秒ごとの記録を行った. 【結果】PI値は, 腹部大動脈の遮断に伴い, 上肢では上昇し下肢では低下した. また, 遮断解除直後(人工血管吻合後)に, 上下肢...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2006, Vol.33 (3), p.321-321
Hauptverfasser: 渡邉美奈子, 若松禎人, 小原大輔, 中村淳史, 谷口総志, 向田 宏, 鈴木廣美, 天野 篤
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【はじめに】MASIMO社製パルスオキシメータ(Radical)にて測定されるPI値とは, モニタリング部位の拍動の強さを相対的に表す指標である. 今回, 腹部大動脈瘤に対する人工血管置換術での血流変化のモニタとしてPI値を用いたので報告する. 【方法】PI値の測定には4台のRadicalを使用した. 測定部位は, 上肢および下肢の第3指に統一した. Radica1にて測定されたPI値は, Oxilogデータ管理システムによりコンピュータヘ1秒ごとの記録を行った. 【結果】PI値は, 腹部大動脈の遮断に伴い, 上肢では上昇し下肢では低下した. また, 遮断解除直後(人工血管吻合後)に, 上下肢ともにほぼ遮断前の値まで戻った. 【考察】人工血管置換術での血流分布は, 心拍出量が一定の条件下において, 下肢への血流の遮断にともない上肢への血流は増加し, 上肢の体血圧は上昇する. また, 人工血管吻合後の遮断解除時では, 下肢への血流増加とともに上肢の血流と体血圧は低下する. 人工血管置換術でのPI値の推移は, 血流分布と同じ変化を常に表示していたと考えられる. しかし, PI値は指先での測定であるために, 体温や血管収縮薬などの末梢循環を左右させる因子が多数存在し, それらとの相関は今後の課題となった. 【結論】Radicalで測定されるPI値は, 末梢血管の血行再建術における非侵襲的な血流モニタとして十分に使用することができる.
ISSN:0912-2664