N6-3 人工肺用ガスフラッシュ装置の試作と安全性について
【目的】人工肺のガス交換能の低下の要因として中空糸内部に発生する結露がある. 特に長期間にわたるPCPS施行時には結露の除去に労力を要することが多い. そこで, 自動的にガスフラッシュを行う装置を製作し, フラッシュ時の人工肺にかかる圧力を測定し安全性を検討した. 【装置】装置は設定待機時間ごとに電磁弁が開放されてガスが流れ, 設定開放時間が経過すると電磁弁が閉じてガスを遮断する. この装置に流量計をセットした酸素ボンベからチューブを接続し, フラッシュガスを人工肺のガスラインに合流させた. 【方法】テスト回路はテルモ社製エマセブ(CX-ESL002)に乳酸リンゲル液を充填した. 熱交換器で加...
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Veröffentlicht in: | 体外循環技術 2006, Vol.33 (3), p.316-316 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】人工肺のガス交換能の低下の要因として中空糸内部に発生する結露がある. 特に長期間にわたるPCPS施行時には結露の除去に労力を要することが多い. そこで, 自動的にガスフラッシュを行う装置を製作し, フラッシュ時の人工肺にかかる圧力を測定し安全性を検討した. 【装置】装置は設定待機時間ごとに電磁弁が開放されてガスが流れ, 設定開放時間が経過すると電磁弁が閉じてガスを遮断する. この装置に流量計をセットした酸素ボンベからチューブを接続し, フラッシュガスを人工肺のガスラインに合流させた. 【方法】テスト回路はテルモ社製エマセブ(CX-ESL002)に乳酸リンゲル液を充填した. 熱交換器で加温循環し人工肺に結露を生じさせ, フラッシュ流量が10L/minとしたときの人工肺にかかる圧力(peak pressure)を測定した. テスト回路では遠心ポンプの回転数を2000rpm, 人工肺出口の圧力を150mmHgに調節した. 【結果, 考察】フラッシュ時の人工肺入り口のpeak pressureは60mmHgであった. 回路内圧が低いとき, フラッシュ時の一時的なガスラインの圧力上昇は, 気泡混入や人工肺を劣化させる可能性がある. エマセブは結露を排出するときのガス流量は20L/minまでとしている. そのときの人工肺入り口の圧力を測定したところ12mmHgであった. そこで, 酸素ボンベの圧力を圧力調節器で減圧させ, 更にフラッシュガスのチューブを内径6mmから3mmに変更して最適圧になるように改良した. 改良の結果, フラッシュ時のpeak pressureは12mmHgまで低下させることができた. 【結語】今回の装置は, ガスフラッシュ時の過度の圧力負荷を軽減してあるために血液側への気泡混入の危険性はないと考えられた. 本装置を臨床使用することにより手動によるガスフラッシュの労力が省力化できる. |
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ISSN: | 0912-2664 |