13.メーカーでの体外循環教育

【緒言】メーカーでの医療機関に対しての協力, 支援方法は多々あり, その中に人工心肺操作も含まれている. この人工心肺業務を行う事が出来る人材の養成や教育内容については, メーカー(業者)間において, 未だに統一されたものは無く, そのレベルには大きな差があるのが現実である. 今回, メーカーと業者として, 8病院で約2300症例(約1000例は人工心肺操作)の経験から, 教育方法, 養成期間, 問題点について検討したので報告する. 【教育方法】現在では臨床工学関連の学校を卒業し, 臨床工学技士免許を取得している者がほとんどであるために最低限の医療知識から教える必要性は無いが, 製品やその特性...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2006, Vol.33 (1), p.105-105
1. Verfasser: 吉野英樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【緒言】メーカーでの医療機関に対しての協力, 支援方法は多々あり, その中に人工心肺操作も含まれている. この人工心肺業務を行う事が出来る人材の養成や教育内容については, メーカー(業者)間において, 未だに統一されたものは無く, そのレベルには大きな差があるのが現実である. 今回, メーカーと業者として, 8病院で約2300症例(約1000例は人工心肺操作)の経験から, 教育方法, 養成期間, 問題点について検討したので報告する. 【教育方法】現在では臨床工学関連の学校を卒業し, 臨床工学技士免許を取得している者がほとんどであるために最低限の医療知識から教える必要性は無いが, 製品やその特性についての教育は机上において不可欠である. 技術に関する教育については, 手術室等に同行し技士, 医師から直接指導を受けているのが現状である. 最近では模擬回路等を制作し, トレーニングを行っている会社もあるが, その内容は実際の体外循環とはほど遠く, 効果もあまり期待出来ない. 基本的には知識, 技術ともに自身で模索する以外に方法は無いと考えられる. 【養成期間】一人で人工心肺操作が可能で, 各施設に個別で順応出来る技術に到達するには, 血液ガス検査等から始まり, ポンプ記録, 回路片付け, 回路組み立てなどの段階を経て, 最終的には約500症例以上の人工心肺関連手術を経験することにより, 平均的な技術が備わると考えている. 技術, 知識の習得には個人差があり, また学校の単位のように決まったプログラムや期間があるわけでは無いので, 結局は本人の「やる気」と「与えられた環境」に左右されてしまうと考えられる. 【問題点】教育システムやカリキュラムがメーカー間だけでなく病院でも統一されていないことが最大の問題と考えられる. これは, 各病院で使用されている装置や材料の違い, 体外循環法が違うためであり, またメーカーに関しては, 現在の病院側と正式に業務契約を結ばずに人工心肺操作をしている者がほとんどである事実も問題である. 【まとめ】人工心肺操作等は病院勤務者の仕事であり企業勤務者が行うべきでは無いという考えを払拭して, 体外循環技士の派遣専門会社や技士の指導者を育成する目的の研修センター等の設立が望まれる.
ISSN:0912-2664