39 体外循環における灌流指数とヘマトクリットの関係

【目的】体外循環における酸素供給量は, 灌流指数(PI:Perfusion Index), Ht, PaO2によって決定される. いずれかの要因が低下した場合, 他要因を増加させることによって酸素供給量を補うことができるが, 酸素供給量を一定に保とうとすれば複雑な計算が必要となり, 実際には経験則をもとに補正する. 今回我々は, 酸素供給量に関する簡便なPIとHtの関係を求めたので報告する. 【対象】人工心肺を使用した成人開心術症例を対象とした. 【方法】1分間の体表面積当たりの酸素供給量を求める式, 酸素供給量=(Hb結合酸素+溶存酸素)×PIから, PaO2, Ht, PIを変化させ各条件...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2005, Vol.32 (3), p.338-338
Hauptverfasser: 前田寿, 早坂啓, 鈴木信司, 鮎澤慶一, 椎川彰
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】体外循環における酸素供給量は, 灌流指数(PI:Perfusion Index), Ht, PaO2によって決定される. いずれかの要因が低下した場合, 他要因を増加させることによって酸素供給量を補うことができるが, 酸素供給量を一定に保とうとすれば複雑な計算が必要となり, 実際には経験則をもとに補正する. 今回我々は, 酸素供給量に関する簡便なPIとHtの関係を求めたので報告する. 【対象】人工心肺を使用した成人開心術症例を対象とした. 【方法】1分間の体表面積当たりの酸素供給量を求める式, 酸素供給量=(Hb結合酸素+溶存酸素)×PIから, PaO2, Ht, PIを変化させ各条件の理論上の酸素供給量を求めると, PaO2の影響はほとんどないことと, PI0.1(L/min/平方メートル)とHt1(%)の酸素供給量は, ほぼ同等の関係であることがわかる. 関係を臨床上で確認するため, 高PI低Ht状態で採取した検体をA群, 関係に従ってPI, Htを変化させ, 低PI高Ht状態で採取した検体をB群とし酸素供給量を比較した. 1分間の酸素供給量の指標としてSvO2を用いた. 【結果】A群, B群のSvO2に有意差は認めなかった. 【考察】理論上でPI, Htに関する酸素供給量の関係誤差10%以内の範囲をみるとPI1.9~3.1, Ht19~31の状態があてはまり, 通常の体外循環をほぼカバーする. 例えば目標灌流設定をPI2.4, Ht24としていた時に, Htが4不足する場合, 酸素供給量を同レベルに保つには, PIを0.4上昇させる必要があると判断でき, 関係の認識は生理的な体外循環に繋がると考える. 【結論】体外循環中の酸素供給量に関するPIとHtの関係を求めた. PI1.9~3.1L/min/平方メートルとHt19~31%の範囲内であれば, PI0.1L/min/平方メートルとHt1%の酸素供給量は, ほぼ同等の関係が成り立つ.
ISSN:0912-2664