真性胸部大動脈瘤における弓部三分枝送血法での体循環維持の検討
【要旨】真性胸部大動脈瘤手術時,脳分離体外循環は不可欠な補助手段となる。しかし全身冷却を終了し,脳分離体外循環に移行するまでに弓部および下行大動脈のdebrisを脳血管へ飛ばさないことが脳梗塞発症の有無にかかわってくる。我々は腕頭動脈,左総頸動脈,左鎖骨下動脈の弓部三分枝のみのカニュレーションにて適正灌流量を出す方法「弓部三分枝送血法」を考案した。送血カニューレサイズは3.0,3.5,4.0mmのいずれか弓部三分枝の血管に楔入しないサイズを選択し,送血は独立したポンプで行った。回路内圧は180mmHg以内とし,灌流指数2.2~2.4L/min/m2を目標に送血を行った。腕頭動脈,左総頸動脈,左...
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Veröffentlicht in: | 体外循環技術 2005/06/01, Vol.32(2), pp.181-185 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 【要旨】真性胸部大動脈瘤手術時,脳分離体外循環は不可欠な補助手段となる。しかし全身冷却を終了し,脳分離体外循環に移行するまでに弓部および下行大動脈のdebrisを脳血管へ飛ばさないことが脳梗塞発症の有無にかかわってくる。我々は腕頭動脈,左総頸動脈,左鎖骨下動脈の弓部三分枝のみのカニュレーションにて適正灌流量を出す方法「弓部三分枝送血法」を考案した。送血カニューレサイズは3.0,3.5,4.0mmのいずれか弓部三分枝の血管に楔入しないサイズを選択し,送血は独立したポンプで行った。回路内圧は180mmHg以内とし,灌流指数2.2~2.4L/min/m2を目標に送血を行った。腕頭動脈,左総頸動脈,左鎖骨下動脈のFlowはそれぞれ2.0±0.3L/min,0.5±0.2L/min,1.1±0.37L/minで十分な適正灌流量を出すことが可能であった。体外循環中左右前額のrSO2値の低下は認めなかった。術後脳梗塞の発症は28例中1例のみであった。 |
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ISSN: | 0912-2664 1884-5452 |
DOI: | 10.7130/hokkaidoshakai.32.181 |