人工心肺回路内残血の処理法について: 血液濃縮と洗浄赤血球に関する検討
回路内残血の処理方法として,ヘモコンセントレーター(HC)を用いて濃縮した症例(N群)と洗浄式血液回収装置を使用した症例(W群)の術中・術後経過について比較検討した。腎機能障害のない待機的単独冠動脈バイパス手術の連続40例を無作為にN群とW群各20例に分類した。N群では回路内に組み込まれているHCを用い,回路内残血を濃縮,血液バック(テルモ社,SC-407)へ貯血した。その際に硫酸プロタミンを添加しヘパリンNaを中和した。一方,W群では,洗浄式血液回収装置を使用し洗浄赤血球を貯血した。これらの回収血は手術室退室前に患者へ輸血した。回収血のTP,PltなどはN群で有意に高値を示した。周術期の同種...
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Veröffentlicht in: | 体外循環技術 2005/06/01, Vol.32(2), pp.151-155 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 回路内残血の処理方法として,ヘモコンセントレーター(HC)を用いて濃縮した症例(N群)と洗浄式血液回収装置を使用した症例(W群)の術中・術後経過について比較検討した。腎機能障害のない待機的単独冠動脈バイパス手術の連続40例を無作為にN群とW群各20例に分類した。N群では回路内に組み込まれているHCを用い,回路内残血を濃縮,血液バック(テルモ社,SC-407)へ貯血した。その際に硫酸プロタミンを添加しヘパリンNaを中和した。一方,W群では,洗浄式血液回収装置を使用し洗浄赤血球を貯血した。これらの回収血は手術室退室前に患者へ輸血した。回収血のTP,PltなどはN群で有意に高値を示した。周術期の同種血輸血回避率(無輸血率)はN群85%,W群45%と,N群が有意に高かった。同種血輸血量(輸血量)はN群平均60.0mL,C群平均515.5mLと,N群で有意に少なかった。術中・術後24時間の尿量および出血量は両群間に有意差はなかった。以上の結果から濃縮法,洗浄法のいずれも術中術後経過に悪影響を及ぼすことなく,無輸血率の向上および輸血量を削減できるが,その効果は濃縮法がより大きいと考えられた。 |
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ISSN: | 0912-2664 1884-5452 |
DOI: | 10.7130/hokkaidoshakai.32.151 |