体外循環非使用冠動脈バイパス術における血行動態と右室容量の関係
【要旨】近年,体外循環を使用しない冠動脈バイパス術(OPCAB)が盛んに行われるようになったが,心臓の脱転および挙上により血行動態が悪化して不安定となる。そこで今回,術中の右室容量を測定し検討した。胸骨正中切開による多枝バイパス症例で,OPCABによる完全血行再建を行った12例を対象とした。測定10項目をSwan-ganz CCO/CEDV thermodilution catheterにて測定した。測定値は,Control値を開胸後,BackControl値を閉胸後,また前下降枝(LAD),回旋枝(LCX),右冠動脈(RCA)それぞれの吻合時とした。術中,LCX,RCA吻合時にRVEDVI,...
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Veröffentlicht in: | 体外循環技術 2004/12/01, Vol.31(4), pp.395-397 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【要旨】近年,体外循環を使用しない冠動脈バイパス術(OPCAB)が盛んに行われるようになったが,心臓の脱転および挙上により血行動態が悪化して不安定となる。そこで今回,術中の右室容量を測定し検討した。胸骨正中切開による多枝バイパス症例で,OPCABによる完全血行再建を行った12例を対象とした。測定10項目をSwan-ganz CCO/CEDV thermodilution catheterにて測定した。測定値は,Control値を開胸後,BackControl値を閉胸後,また前下降枝(LAD),回旋枝(LCX),右冠動脈(RCA)それぞれの吻合時とした。術中,LCX,RCA吻合時にRVEDVI,RVESVI が有意に減少したのは,スタビライザーによる機械的圧迫と,ハートポジショナーによる心臓の牽引によるものと考えられる。RCA領域では,SV,CIは保たれるので,血行動態の変化はLCX領域に比較すると安定していた。LCX吻合時は,ハートポジショナーによる心臓の牽引の際,右胸壁に心臓を圧迫するためであると考えられた。OPCAB術中の右室容量測定は,血行動態の把握に非常に有用な指標になると考えられた。 |
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ISSN: | 0912-2664 1884-5452 |
DOI: | 10.7130/hokkaidoshakai.31.395 |