重回帰分析による体外循環中における水分バランスの検討

当院での体外循環中における水分バランスに影響を与える因子を明らかにし,その予測と定量的なコントロールの可能性を多変量解析により検討した。対象は当院で行われた人工心肺症例のうち,待期的成人開心術159例とした。検討対象とした因子を説明変数とし,体外循環中の水分バランス結果を従属変数として重回帰分析を行った。次に,有意に相関した因子のみで再度重回帰分析を行い,偏相関係数および重相関係数を求め,回帰式より算出した計算値と実測値との相関関係を検討した。輸血・輸液量,最低直腸温,開始時ヘマトクリット値,大動脈遮断中の平均灌流圧で有意に相関を認めた。以上の因子のみで重回帰分析を行った結果,それぞれで正負と...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2004/06/01, Vol.31(2), pp.136-138
Hauptverfasser: 畑中, 祐也, 杉原, 学, 佐野, 茂, 大野, 兼市, 諫本, 義雄, 青柳, 成明, 大石, 一男, 加納, 龍彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:当院での体外循環中における水分バランスに影響を与える因子を明らかにし,その予測と定量的なコントロールの可能性を多変量解析により検討した。対象は当院で行われた人工心肺症例のうち,待期的成人開心術159例とした。検討対象とした因子を説明変数とし,体外循環中の水分バランス結果を従属変数として重回帰分析を行った。次に,有意に相関した因子のみで再度重回帰分析を行い,偏相関係数および重相関係数を求め,回帰式より算出した計算値と実測値との相関関係を検討した。輸血・輸液量,最低直腸温,開始時ヘマトクリット値,大動脈遮断中の平均灌流圧で有意に相関を認めた。以上の因子のみで重回帰分析を行った結果,それぞれで正負ともに弱い相関を認めた。計算値と実測値との比較では,両者の間には強い相関が認められ,これらの因子が水分バランスに影響を与えている可能性と,定量的な予測とコントロールが可能であることが示唆された。また,症例の分類と因子を追加しての検討が必要と考えられた。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/hokkaidoshakai.31.136