P8 Core Cooling法による屍体腎摘出における陰圧脱血法の有用性

【目的】当施設で従来より施行しているCore Cooling法による屍体腎摘出に新たに壁吸引を用いての陰圧脱血を行い, その有用性を検討したので報告する. 【対象】対象は, 1987年11月から2002年12月までにCore Cooling法による屍体腎摘出した26例で22例が落差脱血例(落差群:平均年齢45.9才), 4例が吸引脱血併用例(陰圧群:平均年齢47.2才)の2群である. 【方法】Core Cooling法は, ドナー心停止直後, 専用の体外循環装置を用い, 腹部臓器を中心に酸素加と急速冷却をし, ドナー腎の摘出, 搬送, 移植までの間の臓器保護を目的としている. 今回我々は, 両...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2003, Vol.30 (3), p.251-251
Hauptverfasser: 会田治男, 樺澤寛二, 大木康則, 小塚アユ子, 高橋克弘, 見目恭一, 小川辰二, 小山勇
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】当施設で従来より施行しているCore Cooling法による屍体腎摘出に新たに壁吸引を用いての陰圧脱血を行い, その有用性を検討したので報告する. 【対象】対象は, 1987年11月から2002年12月までにCore Cooling法による屍体腎摘出した26例で22例が落差脱血例(落差群:平均年齢45.9才), 4例が吸引脱血併用例(陰圧群:平均年齢47.2才)の2群である. 【方法】Core Cooling法は, ドナー心停止直後, 専用の体外循環装置を用い, 腹部臓器を中心に酸素加と急速冷却をし, ドナー腎の摘出, 搬送, 移植までの間の臓器保護を目的としている. 今回我々は, 両群のCore Cooling時間, 灌流量, 最低脱血温度, 最低Ht値などを比較検討した. 【結果】Core Cooling時間は, 落差群32.5±8.7, 陰圧群33.2±6.2分であった. 灌流量は落差群2.6±0.7L/min, 陰圧群3.7±0.3L/min, 最低脱血温度は落差群16.0±3.2℃, 陰圧群13.6±3.5℃, 最低Ht値は落差群で11.0±3.7, 陰圧群15.0±0.8%であった. 灌流量, 最低Ht値に両群間で有意差がみられた. 【考察】これまでのCore Cooling法施行ではICUや個室病棟で通常院内ベッド使用が大半で落差を付けることは難しく, かつ末梢からの細いカニューレを用いる事が多いため, 流量確保が非常に難しい状況下であった. 今回, 壁吸引での陰圧脱血法の採用は, 灌流量が有位に増大し, ドナー腎摘出時の急速冷却での摘出臓器保護に効果があり, かつ総輸液量が減少し, Ht値が上昇した事で摘出臓器酸素化にも有用と考えられた. 【結論】Core Cooling法によるドナー腎摘出時に壁吸引での陰圧脱血を併用し, 落差群と陰圧群の2群間での, 冷却時間, 灌流量, 最低脱血温度, 最低Ht値を比較検討した. 灌流量, 最低Ht値に両群間で有意差がみられ, 陰圧群は臓器保護のための急速冷却と酸素加に有効と考えられた.
ISSN:0912-2664