10 Off pump CABG症例における非洗浄濾過式自己血回収法の検討

【目的】今回, 我々はOff pump CABG症例において, 洗浄式自己血回収装置を用いた方法とAuto Transfusion型である非洗浄濾過式自己血回収法, およびOn pump CABGの3群におけるTP, アルブミン, Plt, Hb, RBC, 溶血について比較検討したので報告する. 【対象】単独CABGで2枝以上の多枝バイパス症例を条件に2002年8月から2003年4月の間のOff pump CABG33例と2003年3月から4月の間のOn pump CABG24例をretrospectiveに対象とした. そのうち術中, 術直後に血液製剤を使用しなかったOf fpump CA...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2003, Vol.30 (3), p.227-227
Hauptverfasser: 開正宏, 山鹿章, 清末智, 服部敏之, 伊藤敏明, 堀田壽郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】今回, 我々はOff pump CABG症例において, 洗浄式自己血回収装置を用いた方法とAuto Transfusion型である非洗浄濾過式自己血回収法, およびOn pump CABGの3群におけるTP, アルブミン, Plt, Hb, RBC, 溶血について比較検討したので報告する. 【対象】単独CABGで2枝以上の多枝バイパス症例を条件に2002年8月から2003年4月の間のOff pump CABG33例と2003年3月から4月の間のOn pump CABG24例をretrospectiveに対象とした. そのうち術中, 術直後に血液製剤を使用しなかったOf fpump CABG中cell saverを用いた9例(C群)と非洗浄濾過式自己血回収法を用いた9例(NW群), OnpumpCABG9例(CPB群)を比較した. 【方法】TP, アルブミン, Plt, Hb, RBCは, 術前の検査値をcontrolとして術後の検査値を百分率にて示し, 溶血は術前, 術後, 翌日の推移を評価した. 【結果】TP, アルブミン, Pltには3群間に有意差なく, HbではC群がNW群, CPB群に比して有意に高値を示し, RBCではC群がCPB群に比して有意に高値を示した. 溶血はNW群, CPB群が術後に有意に増加したが, 翌日には術前値と有意差なく低下した. また, 血液製剤非使用率はC群9/20例(45%), NW群9/13例(69%), CPB群9/24例(38%)であった. 【考察】当院では2003年2月からOff pump時にヘパリンの初期投与量をOn pump時と同量の300単位/kgに増やすに伴い, 自己血回収法も非洗浄式に変更した. 結果からHb, RBC, 溶血に対してはC群が有利であることが示された. TP, アルブミン, PltではCPB群もOff pumpと変わらないことが示された. 対象全体での血液製剤非使用率はNW群が出血とほぼ同時に返血できるため, 69%と高かった. 【結論】非洗浄濾過式自己血回収法は, 洗浄式自己血回収法やOn pump CABGに比し, 血液成分に対して有利な点は認められなかったが, 出血とほぼ同時に返血できるため, 血液製剤の非使用率は高かった.
ISSN:0912-2664