圧閉度の電気的測定法の考案

【要旨】電気的な測定によりローラーポンプの圧閉度を測定する方法を考案し,実験的に検討した。生理食塩水で満たしたローラーポンプの流入側と流出側に電極を装着し,両極間の電気抵抗を測定できる実験回路を作製した。そして,圧閉度を変化させた時の電気抵抗変化を記録した。その結果,電気抵抗は完全圧閉ではほほ無限大であったが,圧閉を緩めるに従い抵抗は低ドし,圧閉度と抵抗変化はほぼ直線的な関係を示した。更に圧閉を緩め,ほぼ開放状態の不完全な圧閉では4.5kΩとなり以後変化しなくなった。JIS規格に示される適正圧閉における電気抵抗は37~49kΩと,圧閉されていない状態のほぼ10倍の抵抗値であった。生理食塩水を2...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2003/03/01, Vol.30(1), pp.22-25
Hauptverfasser: 百瀬, 直樹, 後藤, 悟, 山越, 理恵, 唐澤, あや子, 中島, 逸郎, 小野, 哲章
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【要旨】電気的な測定によりローラーポンプの圧閉度を測定する方法を考案し,実験的に検討した。生理食塩水で満たしたローラーポンプの流入側と流出側に電極を装着し,両極間の電気抵抗を測定できる実験回路を作製した。そして,圧閉度を変化させた時の電気抵抗変化を記録した。その結果,電気抵抗は完全圧閉ではほほ無限大であったが,圧閉を緩めるに従い抵抗は低ドし,圧閉度と抵抗変化はほぼ直線的な関係を示した。更に圧閉を緩め,ほぼ開放状態の不完全な圧閉では4.5kΩとなり以後変化しなくなった。JIS規格に示される適正圧閉における電気抵抗は37~49kΩと,圧閉されていない状態のほぼ10倍の抵抗値であった。生理食塩水を2倍に希釈して行った実験でも,適正圧閉における電気抵抗は圧閉前のほぼ10倍であった。今回の実験により圧閉度を電気的に測定できることが確認できた。臨床用の回路においても,温度測定用の金属端子などを電極として電気的に圧閉度を測定し容易に圧閉度調節を行うことが可能となる。更に,圧閉度の測定機器や自動調節機構の開発が期待できる。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/hokkaidoshakai.30.22