希釈充填 液量削減の試み: Retrograde Autologous Primingの効果

【要旨】回路変更を必要としない新しい希釈液量の削減法,Retrograde Autologous Priming(RAP)を試みた。症例は当院で施行した無輸血体外循環,待機的CABG症例の中からRAPを施行した34例(RAP群)と,充填液量(希釈液量)1,000mLで通常の体外循環(CPB)を施行したコントロール群(C群)48例について比較検討した。両群間の身長,体重,CPB時間などに有意差はなかったが,最低直腸温はRAP群で有意に低値を示した。方法は収縮期血圧80mmHg以上を条件下に,回路内の充填液を患者の血液と置換しながら,充填液をコレクションバックに貯留することにより,希釈液量の削減を...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2002/12/01, Vol.29(4), pp.377-382
Hauptverfasser: 窪田, 將司, 山口, 和也, 澤崎, 史明, 堂野, 隆史, 河田, 修一, 鷹橋, 浩, 黒田, 廣, 瀧上, 剛, 大場, 淳一, 青木, 秀俊
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:【要旨】回路変更を必要としない新しい希釈液量の削減法,Retrograde Autologous Priming(RAP)を試みた。症例は当院で施行した無輸血体外循環,待機的CABG症例の中からRAPを施行した34例(RAP群)と,充填液量(希釈液量)1,000mLで通常の体外循環(CPB)を施行したコントロール群(C群)48例について比較検討した。両群間の身長,体重,CPB時間などに有意差はなかったが,最低直腸温はRAP群で有意に低値を示した。方法は収縮期血圧80mmHg以上を条件下に,回路内の充填液を患者の血液と置換しながら,充填液をコレクションバックに貯留することにより,希釈液量の削減を行った。その結果,RAP前の充填液量は1,100mLであるが,RAP施行により希釈液量は平均593mLまで減量した。また,CPB中のHt,Plt,AlbはRAP群で高値を示す傾向にあり,更に,CPB中の水分バランスにおいても,RAP群平均-743mL,C群平均-294mLとRAP群で有意にマイナスバランスを示した。以上よりRAPは,充填液量の削減,および希釈による合併症を軽減できる有用性の高い方法であると考えられた。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/hokkaidoshakai.29.377