拡張型心筋症に対する両室ペースメーカ植込み経験
薬物抵抗性の心不全に対する治療法として,心室収縮の非同期性の改善を目的とした両室ペーシング療法が登場した。今回,拡張型心筋症の3症例(症例1;73/M,症例2;79/M,症例3;79/F)に対し,両室ペースメーカ植込みを施行した。左室リードは冠静脈後側枝,右室リードは右室心尖部に留置し,心房同期にて両室同時ペーシングを行った。右室ペーシングに対し両室ペーシングでは,症例1にてQRS幅は200→160msec,左室駆出率(LVEF)は11→25%,脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)は553→462pg/mL, 6分歩行テストは340→360mと改善した。症例2はQRS幅は260→190msec...
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Veröffentlicht in: | 体外循環技術 2002/09/01, Vol.29(3), pp.304-309 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 薬物抵抗性の心不全に対する治療法として,心室収縮の非同期性の改善を目的とした両室ペーシング療法が登場した。今回,拡張型心筋症の3症例(症例1;73/M,症例2;79/M,症例3;79/F)に対し,両室ペースメーカ植込みを施行した。左室リードは冠静脈後側枝,右室リードは右室心尖部に留置し,心房同期にて両室同時ペーシングを行った。右室ペーシングに対し両室ペーシングでは,症例1にてQRS幅は200→160msec,左室駆出率(LVEF)は11→25%,脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)は553→462pg/mL, 6分歩行テストは340→360mと改善した。症例2はQRS幅は260→190msecと短縮,血圧は116/60(78)→122/61(82)mmHgと上昇を認めた。植込み後, LVEFは14→26%, BNPは956→333pg/mL,僧帽弁閉鎖不全症はIII→II度と軽減した。症例3においてはQRS幅は180→150msecに短縮,血圧は92/48(61)→131/77(93)mmHgと著明な上昇を認めた。3症例ともに両室ペーシングにて心機能の改善が図られ,本法は心不全の予後改善の新しいデバイスとして期待できる。 |
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ISSN: | 0912-2664 1884-5452 |
DOI: | 10.7130/hokkaidoshakai.29.304 |