熱交換器を組み込まない小児無輸血体外循環の試み: 熱交換器は必要か

【要旨】当院では,体外循環が比較的短時間で終了する手術では34℃前後の軽度低体温としている。このことから,熱交換を使用するのは多くの場合は加温時のみであった。そのため,熱交換器を使用しなくても体外循環中の体温コントロールが可能であると考えシステムを検討した。熱交換器を使用しない代わりに保温冷却マットを患者の下に敷くことと,特別に作製したマットを四肢に巻き,体表からと室温にて体温をコントロールした。熱交換器を使用しない場合でも人工心肺離脱時の体温は平均36.1℃にコントロールされ,特に問題となるような体温低下はなく良好な結果が得られた。熱交換器を使用したいシステムの充填量は,6.5kg以下のシス...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2002/06/01, Vol.29(2), pp.180-183
Hauptverfasser: 北本, 憲永, 神谷, 典男, 西條, 幸志, 高岡, 伸次, 鈴木, 克尚, 鈴木, 智代, 高柳, 綾子, 小出, 昌秋, 野地, 智, 打田, 俊司, 石橋, 信之
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:【要旨】当院では,体外循環が比較的短時間で終了する手術では34℃前後の軽度低体温としている。このことから,熱交換を使用するのは多くの場合は加温時のみであった。そのため,熱交換器を使用しなくても体外循環中の体温コントロールが可能であると考えシステムを検討した。熱交換器を使用しない代わりに保温冷却マットを患者の下に敷くことと,特別に作製したマットを四肢に巻き,体表からと室温にて体温をコントロールした。熱交換器を使用しない場合でも人工心肺離脱時の体温は平均36.1℃にコントロールされ,特に問題となるような体温低下はなく良好な結果が得られた。熱交換器を使用したいシステムの充填量は,6.5kg以下のシステムで139mL(動脈フィルタ非使用時105mL),6.5~9kgで145mL,9~12kgで170mL,12~17kgで196mLとなり,無輸血体外循環の安全城が上昇し,更なる無輸血体外循環の適応体重低下の可能性が示唆された。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/hokkaidoshakai.29.180