低充填量人工心肺回路による輸血量削減

開心術における無輸血達成率の向上を図るため,人工心肺(CPB)回路の改良により充填量(PV)を削減した。待機的CABG症例において,PV1,600mlのH群と800mlのL群で,血小板保存率,輸血量,出血量,尿量,CPBバランスを比較検討した。L群の回路は術野→静脈リザーバー(VR)→人工肺→動脈フィルタまでのチューブ径を10mm,動脈フィルタ→術野までのチューブ径を8mmとした。吸引脱血(VAVR)-ローラーポンプ送血によりVR出口をポンプヘッドの高さにし,ローラポンプ出口に人工肺-動脈フィルタを直線的に設置した。L群はCPB開始から血小板,Ht,血圧低下の変化率が低く,尿量,CPBバランス...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2002/03/01, Vol.29(1), pp.25-28
Hauptverfasser: 西田, 慎一, 上屋敷, 繁樹, 植木, 弘一, 中嶋, 康仁, 吉岡, 信也, 染谷, 忠男
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:開心術における無輸血達成率の向上を図るため,人工心肺(CPB)回路の改良により充填量(PV)を削減した。待機的CABG症例において,PV1,600mlのH群と800mlのL群で,血小板保存率,輸血量,出血量,尿量,CPBバランスを比較検討した。L群の回路は術野→静脈リザーバー(VR)→人工肺→動脈フィルタまでのチューブ径を10mm,動脈フィルタ→術野までのチューブ径を8mmとした。吸引脱血(VAVR)-ローラーポンプ送血によりVR出口をポンプヘッドの高さにし,ローラポンプ出口に人工肺-動脈フィルタを直線的に設置した。L群はCPB開始から血小板,Ht,血圧低下の変化率が低く,尿量,CPBバランスに有意差を認めた。VAVRを併用することで,VRの位置を上げることができ回路の短縮と脱血チューブの細径化が可能となった。またCPB終了後の回路内残血量が減少した。低充填量にすることで術後出血量が軽減でき,同種血輸血削減に効果があると考えられた。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/hokkaidoshakai.29.25