体外循環中の透析法の検討: 維持透析症例と急性腎不全症例の比較
【要旨】当院で1998年に行った体外循環中,透析症例23例を,術前3日間連続透析を行った維持透析群9例と,緊急重症症例が多い急性腎不全群14例とで比較検討した。術中透析は体外循環開始から終了まで最大限行い,両群とも離脱時目標のHct25~30%,カリウム3.0~3.5mEq/lをほぼ達成した。両群の透析時間は158,179分,除水量は1,123,1,760ml,体外循環中の総輸血量は1,721,1,733ml,BUNは前40,55→ 後20,30mg/dl,Crは前6.7,3.3→後3.0,2.3mg/dlに低下した。術中透析は,術直後の持続血液濾過透析開始を平均10時間遅らせ血行動態管理を容...
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Veröffentlicht in: | 体外循環技術 2000/03/01, Vol.27(1), pp.40-42 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 【要旨】当院で1998年に行った体外循環中,透析症例23例を,術前3日間連続透析を行った維持透析群9例と,緊急重症症例が多い急性腎不全群14例とで比較検討した。術中透析は体外循環開始から終了まで最大限行い,両群とも離脱時目標のHct25~30%,カリウム3.0~3.5mEq/lをほぼ達成した。両群の透析時間は158,179分,除水量は1,123,1,760ml,体外循環中の総輸血量は1,721,1,733ml,BUNは前40,55→ 後20,30mg/dl,Crは前6.7,3.3→後3.0,2.3mg/dlに低下した。術中透析は,術直後の持続血液濾過透析開始を平均10時間遅らせ血行動態管理を容易にしたが,急性腎不全群は予後不良で,呼吸器合併症と循環不全が目立った(抜管9 .5,61.4時間後,ICU在室日数5.5,20.2日,病院死亡0%,29%)。これは,血管外の水分貯留が未改善だったことが原因の一つと考えられ,透析を効率よく最大限行い,更に強力な循環補助や高い膠質浸透圧維持などの対策を講じ,厳密な全身管理が必要と考えられた。 |
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ISSN: | 0912-2664 1884-5452 |
DOI: | 10.7130/hokkaidoshakai.27.40 |