23. 発達障害をもつ兄弟例において2例目の相談を促進する要因
[はじめに] 国際医療福祉大学クリニック言語聴覚センターにおいて, 発達障害と診断された兄弟例第2例目の言語相談開始における母親の心理状況とSTの支援について, 受診データと家族への質問紙の結果から相談の経過を分析し, 検討した. [対象] センター開所(1997年3月)から現在までに, 言語相談指導を希望して来所した兄弟28組(56名)の受診データを検討した. さらに指導を継続して行った兄弟15組の家族に質問紙を郵送して得た回答(回答率80%)も合わせて分析を行った. [結果] 〈初診年齢順序〉初診年齢平均は第1例5歳5ヵ月, 第2例4歳8ヵ月であった. 受診順序は兄弟同時に受診した場合と第...
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Veröffentlicht in: | 聴能言語学研究 2001, Vol.18 (3), p.199-199 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | [はじめに] 国際医療福祉大学クリニック言語聴覚センターにおいて, 発達障害と診断された兄弟例第2例目の言語相談開始における母親の心理状況とSTの支援について, 受診データと家族への質問紙の結果から相談の経過を分析し, 検討した. [対象] センター開所(1997年3月)から現在までに, 言語相談指導を希望して来所した兄弟28組(56名)の受診データを検討した. さらに指導を継続して行った兄弟15組の家族に質問紙を郵送して得た回答(回答率80%)も合わせて分析を行った. [結果] 〈初診年齢順序〉初診年齢平均は第1例5歳5ヵ月, 第2例4歳8ヵ月であった. 受診順序は兄弟同時に受診した場合と第1子が先に受診した場合が多かった. 〈障害の気付き〉第1例は保育者, 教員あるいは健診保健婦に指摘をうけた場合が多く, 第2例は家族が気付いたあるいは病院で指摘をうけた場合が多かった. 〈気付きから来所までの期間〉第1例と第2例に大きな差はみられなかった. 〈障害診断時の心理〉第1例ではショックをうけた不安になったという回答が多かったが, 第2例では納得した見通しが持てたといった回答が多く, 受け取り方に違いがみられた. 〈相談来所の理由〉第1例では専門性がある悩みを受け入れてくれる客観性があるといった理由があげられた. 第2例では担当STに相談しやすい指導内容の予測がつく親近感があるといった理由があげられ, 違いがみられた. 他に来所理由の要因となる障害症状や知能においては第1例と第2例の間に大きな差はみられなかった. [まとめ] 第2例では母親は早期に来所し, 心理的に安定した状況で言語指導を開始することができた. 来所理由の相違から, 第1例の言語相談指導においてSTとの間で形成された人間関係(信頼感)に基づいて, 第2例の言語相談指導を開始することができたと考えられる. |
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ISSN: | 0912-8204 |