1. Landau-Kleffner症候群児の言語獲得過程についての1考察
[はじめに] Lmdau-Kleffner症候群児(以下LKS)については多くの症例が報告されているが, LKS児の言語症状や臨床的経過は多様である. 4歳8ヵ月時, 言葉の遅れを主訴に来院した症例について報告する. [症例] 1989年3月生, 女児, 現在8歳2ヵ月. 在胎40週2825gにて出生, 妊娠中および周産期に異常なし. 歩行開始1歳1ヵ月, 2歳ごろより発語があった. 1歳半健診3歳時健診では異常が認められなかった. 4歳1ヵ月より保育所に入所. 4歳8ヵ月時, 集団生活に積極的に参加できない. 言語面では発語はあるが, イントネーションがはっきりしないなどの訴えで当院を受診し...
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Veröffentlicht in: | 聴能言語学研究 1996, Vol.13 (2), p.122-122 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | [はじめに] Lmdau-Kleffner症候群児(以下LKS)については多くの症例が報告されているが, LKS児の言語症状や臨床的経過は多様である. 4歳8ヵ月時, 言葉の遅れを主訴に来院した症例について報告する. [症例] 1989年3月生, 女児, 現在8歳2ヵ月. 在胎40週2825gにて出生, 妊娠中および周産期に異常なし. 歩行開始1歳1ヵ月, 2歳ごろより発語があった. 1歳半健診3歳時健診では異常が認められなかった. 4歳1ヵ月より保育所に入所. 4歳8ヵ月時, 集団生活に積極的に参加できない. 言語面では発語はあるが, イントネーションがはっきりしないなどの訴えで当院を受診した. 医学的診断:聴力認知障害(後にLKS児と診断された). 脳波では中心頭頂部-前頭側頭部へ広がる棘波が頻発していた. CTABR所見は正常であった. 言語所見:行動面では注意の持続は悪いが課題の遂行は可能で問題はみられなかった. 表出言語はジャーゴン様で不明瞭, 聴理解の悪さが認められた. 田中ビネー知能検査:動作性課題への反応は良好であったが, 聴理解の課題も産生課題とも実施困難であった. [経過] 月に2-3回の個別指導を実施. 1回の指導時間は50-60分. 母親も同室していた. 〈保育所〉集団の中では, 周りの状況をみて行動することが多い. 言語行動については簡単な挨拶をするなど, 応答ができる場面が多くなってきた. 場面や状況の手掛かりがないと話の理解が困難であった. 表出できる語彙が少しずつ増えていったが, 音の誤りや省略が多くみられた. 田中ビネー知能検査の結果でも聴理解表出とも改善がみられた. このころ, 文字に興味を示し, 数字や平仮名が理解できるようになった. |
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ISSN: | 0912-8204 |