Dysarthriaの治療

本論文ではDysarthriaの治療のうち,発声発語運動自体の改善をはかる方法に焦点を当てて論ずる.治療を“発話の再獲得に影響を与えるような変数を想定し,治療者が人為的にその変数を操作することで,発話運動の再学習をより最適に行おうとする過程”と定義したうえで,治療者の操作する変数とその方法を,現在提唱されている治療方法をもとに整理する.この枠組みにしたがって,筆者らが実践しているボバースアプローチによる言語治療を分析し,実例を示す.本アプローチの特色として以下の点があげられる.(1)構音の運動要素の練習のために,摂食を含めた口腔領域の自律的な運動を利用する.(2)巧緻的な運動の基盤となる正常姿...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:聴能言語学研究 1995/12/25, Vol.12(3), pp.175-182
1. Verfasser: 椎名, 英貴
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本論文ではDysarthriaの治療のうち,発声発語運動自体の改善をはかる方法に焦点を当てて論ずる.治療を“発話の再獲得に影響を与えるような変数を想定し,治療者が人為的にその変数を操作することで,発話運動の再学習をより最適に行おうとする過程”と定義したうえで,治療者の操作する変数とその方法を,現在提唱されている治療方法をもとに整理する.この枠組みにしたがって,筆者らが実践しているボバースアプローチによる言語治療を分析し,実例を示す.本アプローチの特色として以下の点があげられる.(1)構音の運動要素の練習のために,摂食を含めた口腔領域の自律的な運動を利用する.(2)巧緻的な運動の基盤となる正常姿勢コントロールメカニズムに注目し,その改善をはかる.(3)ハンドリングにより全身および口腔領域の緊張,姿勢運動パターンの改善をはかる.考察では他の方法とボバースアプローチの比較検討を行う.
ISSN:0912-8204
1884-7056
DOI:10.11219/jjcomdis1983.12.175